2014年07月13日

Slave to the Rhythm(不明)

アレンジはあまり興味ないけど、オリジナル版が聞きたくて結局、Xscape買ってしまった。買ってしまえば訳したくなってしまう。1曲目がこれというのは、歌詞をよんでしまうと、どうしたものか、とは思いつつ。

流出騒ぎ起こしてる曲だから、昔からのファンなら、珍しくないんだろう。話題はもっぱらホログラム。このホログラム、個人的には、つり目もシルエットもマイケルっぽくなくてなにか違うなーと思ってしまって好みではない。それより、興味はぜんぜん曲調と違う歌詞。はっきりいってあのPVのイメージをぶち壊すような歌詞。この曲に、They don't care about us っぽいオープニングつけちゃだめでしょう、、、。やっぱりこの曲にはオリジナルの、ソープオペラのクライマックスシーンみたいなオーケストラがふさわしいと思う。

She dances in these sheets at nights
女は踊る 夜、シーツにくるまれて
She dances to his needs
女は踊る 男に応えて
She dances 'til he feels just right
女は踊る 男を満たすまで
Until he falls asleep
男が眠るまで


この辺までは曲調どおり、けど。

She dances at the crack of dawn
女は踊る 夜明けの合間に
And quick she cooks his food
手早く男の食事を整える
She can't be late, can't take too long
遅れるわけにはいかない、時間は取れない
The kids must get to school
子供は学校にいかなきゃならない


もうこの辺で目が点。この曲、がんばるお母さんの歌だった、、、。

She's a slave to the rhythm
彼女は繰り返しにとらわれた奴隷
She's a slave to the rhythm of
彼女は繰り返しにとらわれた奴隷
She's a slave to the rhythm
彼女は繰り返しにとらわれた奴隷
A slave to the rhythm of,
繰り返しにとらわれた奴隷
(The rhythm of love, the rhythm of love)
(愛という名の繰り返し、愛という名の繰り返し)


マイケル・ジャクソンが slave to the rhythm といえば、当然みんな文字通り rhythmに乗って体が止まらず踊りだす、という曲だと思うだろう、、なのにあえてそこをはずしてきてる。thythmは周期運動とかそんな感じの意味のほう。同じ動作を延々くり返すイメージ。ここでは、毎日毎日同じことを繰り返すマンネリの表現。しかもそれはゆったりとしたものではなく、夜は女として尽くし、昼は妻・母として、分刻みで働くそんなめのまわるような、けれど何も変わらない毎日のこと。しかも、それはいつ果てるともわからない。

そんな毎日にとらわれた彼女。そのイメージをだすために、リズムをあえて日本語にしてみた。

そしてrhythmが繰り返しなら、danceも文字通り踊るではなく、人にいいように操られる、というような感じだとわかる。日本語にも「踊らされる」というような表現がある。これにあたるんだろう。

The rhythm of loveは、コーラスになってしまってるので、あまりはっきり聞こえない。けど、loveといってるのは間違いないと思う。そんなの「愛」なんてものではまったくないのだけれど、彼女は「愛」だと信じてとらわれている。そして、男はそこに胡坐をかいてる。

She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She dances for the man at work
彼女は踊る 仕事場で男のために
Who works her overtime
時間超過で働かされて
She can't be rude as she says,
"Sir, I must be home tonight."
「今晩は帰らなくてはなりません」
そう言うときでも礼儀正しい
She dances to the kitchen stove
彼女は踊る コンロの前で
Dinner is served by nine
夕飯は九時まで
He says his food's an hour late
男はいう 食事が一時間遅れだと
She must be outta her mind
彼女は気が気じゃないに違いない


お母さんはワーキングマザーだった。しかも残業も辞さない、フルタイムジョブ。だのに、上司にも夫にもまったく理解はみられない。それをけなげにこなすお母さん。10時にでーん、と座ってるだけの旦那に、「おせーよ」って言われながら、必死にご飯つくってるんだろう。まさに「奴隷」。

She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She works so hard, just to make her way
彼女は懸命に働く 幸せ夢見て
For a man who just don't appreciate
感謝すらしない男のために
And though he takes her love in vain
男は彼女の愛なんとも思っていなくても
Still she could not stop, couldn't break his chains
それでも彼女はやめられない 男の鎖を断ち切れない


make her way は道を切り開く、成功する、出世するみたいな感じ。ばりばり出世を夢見て働く肉食系ならこんなことにならないと思うので、たぶん、彼女の成功って、幸せな家庭、のようなある意味ささやかなものだろうと思う。その方向でかなり意訳した。けれどそんな彼女の願いも、結局はかなわない。幸せな家庭って、二人でつくるものだからね。「幸せは二人でそだてるもので、どちらかが苦労して繕うものではないはず」というのは昭和の関白宣言のさだまさし。けど、さださん、あなたは、正しい。

take in vain は軽んじる。

She danced the night that they fell out
彼女は踊った 別れた夜に
She swore she'd dance no more
彼女は誓った もう踊らないと
But then she did, he did not quit as she ran out the door
けれど彼女が誓っても、男はそのまま、彼女はドアから出て行った


そして、破綻の夜がくる。fall out は別れる。一行目のdanceは、今までのリズムを崩す、文字通りのダンス。彼女自身の表現だろう。もう、惰性で踊ったりしない、と誓う。自分の人生は自分が切り開いていくんだと誓う。けど、彼女がそう誓っても、男は「やめなかった」。つまり、今までどおりだったということなんだろうと思う。そして彼女は出て行くことを決意する。

She danced through the night in fear of her life
彼女は踊った 夜通し自分の人生を勝ち取るために
She danced to a beat of her own
彼女は踊った 彼女自身のリズムで
She let out a cry and swallowed her pride
プライドをすてて、泣き叫んだ
She knew she was needed back home, whooa
彼女は知った 家にもどる必要はないのだと


たぶん、その夜は修羅場だったんだろう。けど、今までの繰り返しのダンスではなく、自分の思う人生を勝ち取るために彼女は戦った。それが一行目の意味だろう。

そして、今までの「よい子」、自分を殺した「良妻賢母」ではなく、偽ることない彼女の感情を表現した。それが二行目の意味。その結果どんな行動をとったかの描写が三行目の意味だろう。

けど、それをたぶん、旦那はまったく受け止めなかった。彼がほしいのは、食事つくって、家事をして、夜のあいてをしてくれて、それでいて稼いでくれる、そんな都合のいいロボットであって、人間と向き合っていないのだから。それで彼女は理解する。「ああ、家に戻る必要なんかないんだ」と。

She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)

She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
(The rhythm of love, the rhythm of love)


She's a slave to the rhythm
She's a slave to the rhythm of
She's a slave to the rhythm
A slave to the rhythm of,
The rhythm of love, the rhythm of love


この曲、「現代的」なアレンジ版と、他の人とのコラボ版と、オリジナル版と、3バージョンもアルバムにはいっているけど、以上はオリジナルバージョンを聞いてのアップ。ほかにPVもある。他のやつ、特にPVはところどころ歌詞が違うような気もするけど、あまりきちんと聞いてないのでわからない。

マイケル・ジャクソン、ときどき昭和な演歌みたいな曲を書くなあと思う。これもそのうちの一つ。nativeはあのPVにこの歌詞で何を思って聞くんだろう。ちょっと不思議。

この歌、(かなり悪い意味で)昭和なおじさん、とその妻、みたいな話だけど、専業主婦していないところにアメリカを感じる。日本は平成になって追いついた感じだろうか。

それでも個人的には嫌いじゃない。まずは声が力強くていい。

それと、愛、じゃないものを、愛、だとして歌うシリーズの中では、一番面白いと思うのも興味引かれる所以。マイケル・ジャクソンの曲の中ではもしかしたら一番生身の女性に迫った曲かもしれない。

dengerousのころから構想があって、invincibleのセットの候補だったと聞く。落選の理由は、同じような夫婦のごたごたを描いた whatever happenに負けたんじゃないかと勝手に想像。

こんな歌詞であっても、「素直に」「自分の感情をだすこと、感情をないがしろにしないこと」という哲学が一本通っているのを感じる。この曲も、感情を殺して毎日を過ごしていた女性が、自分の感情を取り戻して自立していく話。そういう意味では結末がついていて、ある意味ではハッピーエンドなんだと思う。そしてwhatever happenは、その「ぐたぐた」のまま、別れていく、ある意味バッドエンド。

でもって、どちらのケースでも、道を間違わないための鍵は、「きちんと感情と向き合うこと」。それが人も、自分も大切にすることなのだ。たぶんマイケルは、この「感情を取り戻した」彼女に拍手をおくってると思う。
posted by LightWing at 22:05| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして(^^)

素敵な曲の解釈で楽しみに読ませてもらっています。
いつか他の曲もお願いします。

更新がしばらくなく 寂しく思っています。
Posted by kiki at 2015年02月01日 10:00
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