2014年05月22日

What more can I give(2001年)

いつも彼はまっすぐ。メッセージはいつも同じ。
そのメッセージが伝わることを願って。
そのメッセージがみんなにわかるまで。
なんどでも、なんどでも、根気よく繰り返す。
まるで、子どもに言い含めるかのように。

この曲もたぶん、彼のコアメッセージのひとつ。
歌詞やモチーフはいろんな曲と共通している。
全体のメッセージはWe are the world、
それにHIStoryを掛け合わせたような曲。
Man in the mirror、I'll be there、Will you be thereなんかのモチーフもみられる。

ぶれないなあ、この人。

この曲はチャリティーソング。
なんの?ってとこが少々紆余曲折あって。

最終的には2001年の9.11の、ということになっている。
けど、実際には1990年代には着想されていた、と、英語版のwikipedia。

1990年代初頭の黒人差別を象徴するロス暴動をきっかけに
最初はHeal L.A.という題名で書き始め、
HIStoryのアルバム・ツアーの裏で作業し続けてたらしい。

けど、Invincibleに着手してとまってしまい、
1999年、ネルソン・マンデラ大統領との面会でインスパイアされてやっと完成。
けど、結局演奏の機会がなかった。
その後、今の題名になって、コソボ難民にささげようとしたけど、リリースされず。

結局9.11をうけて修正し、
セリーヌ・デュオンやマライア・キャリーなどを巻き込んでリリースしようとしたのに、
結局、プロデューサーのスキャンダル、というわけのわかんない横槍がはいって、流れた。
インターネットでダウンロード販売されたのはやっと2003年のこと。

善意、が善意として世の中にでていかない。
そんな非寛容の始まりの時代に封じられたずっとあっためられてきた彼の想い。
目立ぬように微妙な立ち位置にいたWe are the worldのときより、
もっと彼自身も前面にでていて。
曲自体肩の力が抜けた感じで、自然になってるのを感じる。
いい曲。そして、彼らしい曲。

We are the worldもそうなのだけど、こまるのはgiveの訳。

もちろん、与える、なんだけど、
奉仕する、他人に尽くす、よろこんで差し出す・分け与える、みたいな感じだろうか。
なかなか日本語になりにくい。

もっているものは何でもなげうって、助けあいたい、という、
きわめてキリスト教的な精神のあらわれ。
だけど、ポイントはそれだけじゃなくて。

たぶんこの曲のポイントは、「What can I give more」と自問しているところ。

もっと何かできるんじゃないか。
もっとなんとかなるんじゃないか。
もっと差し出せるものはないのか。

現状に手をこまねいているのではなく、自分でできることを探して動こう、
誰かがなんとかするさ、なんて見過ごしているのはやめよう、という、
man in the mirrorに通じるメッセージ。

そこがMJのMJたる所以。
どれだけの悪意にさらされても。
持ち続けた彼の真実。

How many people will have to die before we will take a stand?
どれだけの人が死んだなら、覚悟を決めるというのだろう?
How many children will have to cry, before we do all we can?
どれだけの子どもが泣いたなら、手を尽くすというのだろう?
If sending your love is all you can give to help one live
誰かが生きていくために、君がしてあげられること
それは、愛を届ける、ただ、それだけというならば
How many times can we turn our heads and pretend we cannot see
どれだけの機会に目をふさぎ、とおりすぎるというのだろう?


出だしの歌詞はまるでHIStory。

一体この状況が変わるまでに、どれだけ犠牲を払えばいいのか。
もう十分だろう。今、動き出そう。

誰か他の人が生きていくことを助けようとするのは、難しいことじゃない。
ただ、君の愛を届ければいいんだ。だのに、いったい、いつまで無関心を続けるの?

最後の行はman in the mirrorを思い出す歌詞。

take a standは立ち位置を明確にする、意志をはっきりと表明する。

Healing the wounds of our broken earth we are one global family
傷ついたこの星を癒してく、僕らはひとつの大きな家族
Just sending your prayers is something you'll feel helping one heal
ただ、届けて、君の祈りを。それが、誰かの癒しになると、きっと君にもわかるから。


この辺はHeal the worldとwe are the world。

そして、ここで彼は、ただ、祈るだけでも、something、大きなアクションだ、といっているのだ。
このフレーズ。結構ポイントなんだと思う。
彼の世界観・哲学・信念、そして祈りがすごくあわられている気がする。

祈り。一見なにもうまないようなこの行為。とても非力で、とても無駄にみえる行為。
けれど、それは、きっと誰かを癒してる、それがあなたには感じられるだろう、
それをあなたに感じさせる行為だと。
そう彼はいっているのだ。

でも本当にそんなことで役にたつんだろうか。

私は、変わると思う。MJも、そう思ってたとおもう。
彼がいいたかったのは、きっと、まず、みてみないふり、無関心をやめよう、なのだ。

関心を寄せる。そこからすべての行動が始まる。
関心をもった多数の小さな思いは、多数の小さな行動となって、大きく世界を変えていく。
関心をもつこと。それこそが愛であり、だから最初にでてきたように、
あなたがすることのすべては愛、祈りを届けることなのだ。 

What have I got that I can give?
何かできることはない?
What have I got that I can give?
何かできることはない?

Tell me
ねえ、、、

What have I got that I can give?
何かできることはない?

To love and to teach you
君を愛して、伝えるために
To hold and to need you
君を抱きしめ、求めるために
What more can I give?
何かもっと僕にできることはない?


そして、問題のフレーズ。What more can I give?
何かもっと与えられないか、なのだけれど、
与えるのは「愛」であり、「愛」を与える行動が何かないかを考えているのだから
何かもっとできることはないか?ということなのだと思う。

What have I got that I can give?は、
今まで自分が得たもので、あげられるものは何だ?という問いだ。

この問いは、与える相手に聞いている、とも取れるけれど、
man in the mirrorや、JAMの「主体的にやっていこうぜ!世の中変えてこうぜ!」
という彼のメッセージを考えれば、
自分で自問してると取るほうがあたってる気がする。

何か出来ることはないか。どうやったら訳にたてるか。
一人ひとりが考え、小さな行動に移すことで世界はきっとかわる。

Brother to brother lay down our fears and reach out and make a pact
仲間と仲間、恐れを鎮め、手を差し伸べ、約束しよう
show him the love that is in our hearts let us bring salvation back
心に抱いた愛、表にだして、僕らの救いを取り戻そう


この辺はI'll be there。

Just sending your love has the power to heal
愛を届けること、それこそが癒しの力
So let's all give
だからすべてを、届けよう

What have I got that I can give?
何かできることはない?
(Is not allowed to give just a little bit)
(少しだけでも、できることはない?)

What have I got that I can give?
何かできることはない?
(Everyone should be a part of it)
(みんなやらなきゃならないんだ)

To love and to teach you
君を愛して、伝えるために
To hold and to need you
君を抱きしめ、求めるために
What more can I give?
僕はもっと何ができる?


Say the words I'll lay me down for you
言葉にして、僕は君のためにこの身をささげる
Just call my name I am your friend
ただ僕を呼んで、僕は君の仲間


the words は福音、神の言葉、などの意味がある。特別な言葉、だ。
ここでは You are not aloneのthree words = I love youだと思う。
You are not aloneでは、そういわれたら、駆けつけていく、といってたけど
ここでは、そういわれたら身をささげて尽くす、といっているのだ。

See, then why do they keep teaching us such hate and cruelty?
みわたせば、なぜ?ひどい残酷、ひどい冷酷、みんなは続けているのだろう
We should give over and over again
なんどでも、なんどでも、愛とどけるんだ
What have I got that I can give?
何かできることはない?
(We should give over and over again!)
なんどでも、なんどでも、愛とどけるんだ


世の中には、冷酷も、残酷もなくならない。
どうしてみんな、冷酷や残酷を僕らに教え続けるんだろう?
そんな世の中にまけないで、愛を届け続けるんだ。何度だって。何度だって。

What have I got that I can give?
何かできることはない?

(Oh my god, oh my god)
(ああ、神さま、ああ、神さま)
(Oh my Lord)
(おお、わが主よ)

See, to love and to teach you
To hold and to need you
What more can I give?

What have I got that I can give? Aahh...
What have I got that I can give?
(give you, give to you)

See, to love and to teach you
To hold and to need you
What more can I give?

What have I got that I can give?
(What more can I give?)

What have I got that I can give?
(I wanna give to you, give it to you)
(君の役にたちたいんだ、君の役に)

See, to love and to teach you
To hold and to need you
What more can I give

(They think I'm crazy but I'm not!)
(みんな僕をおかしいっていうけど、違う!)

What have I got that I can give?
(To give it to you)
Aahh..
(we wanna give to you!)

What have I got that I can give?
To hold and conceal you
君を抱き、かくまうため
(Oh, no, yeah, yeah, yeah)

To love and to heal you
What more can I give?
(Give me, give me one time more)
What have I got that I can give?

(What I got, what have I got)
(Say your prayers)
What have I got that I can give?
(Show the world how much you really care)
(君の大きな愛、世界に見せよう)
To love and to teach you

(To love you, teach you)
To hold and to need you

(To hold you, to need you)
(What more?)
What more can I give?

What have I got that I can give?
(What can I give? Tell me what can I give you)
What have I got that I can give?

To hold and conceal you
To love and to heal you
What more can I give?


また書き換えるかもしれないけど。とりあえず。

新しいアルバムが出て。銀座のソニー本社では、特別展示を、やってるらしい。
それは見てみたい気もするけどアルバムの方は聴くと悲しくなるような気がして手が出せない。

あれは遺品。遺産じゃなくて、遺品。遺品整理をしていたら見つかった断片。彼の手遊び。

作品というには、一歩も二歩もある、、、、と、彼なら言うだろう。
そんな気がしてしまう。

ホログラムのマイケルは、
目の釣り上がり具合とか、細すぎる脚のバランスとか、
あれ?と思うばかりで
何というか、、、全体から感じるものが彼とはかけ離れている気がして。

ああ、彼はもういないんだなあと
そういう思いを強くするばかり。

だから彼らしい曲に触れたくなった。
そういうこと。

そうわかっていても欠片を集めたくなる。
それが彼の凄さなんだろうね。


need がなんでholdやloveやteachと同列にあるのか。
このあたりの感覚も面白いと思う。
そのうち、追記しよう。
posted by LightWing at 23:29| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして(*^_^*)
素晴しいブログですね。ありがとうございます。
英語が分からないので、本当にありがたいです。
訳と、その奥の意味まで・・・。
訳を追いながら、歌を聴くと胸にせまるものがあります。
他のページも次々読んで、とまらなくなります。
きれいな和訳ですね〜。納得することがいっぱい。

私は「THIS IS IT」を観てからのファンで、もうすぐ2年になります。
ブログ、楽しみにしています。感謝しています。
Posted by mkt-517 at 2016年07月09日 00:54
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