2015年02月09日

Off The Wall:わが道を行け(1979年)

※タイトル訳はオリジナル

わっかーいマイケル・ジャクソンの曲。家族兄弟のしがらみから離れて、初めて一人で出したアルバムのタイトルカバー曲。いい曲だった。恋の歌やダンスの歌に隠した、生き方と哲学。マイケル・ジャクソンの作った曲じゃないのに、この曲がのちのマイケル・ジャクソンの下敷きになってるのがわかる。

彼の歌の中では、踊ることは人生を生きることのメタファー。この曲も、ダンスの歌に形を借りて、アツイ生き方をうたっているのだろう。

When the world is on your shoulder
勝負かけていくときは
 gotta straighten up your act and boogie down
 ただひたむきに突き進め


最初からかなり意訳。

この出だし、文字通りには世界が君の肩にかかっているとき。ここぞ、というとき、正念場、何か大きなことを成し遂げようとするとき、といった自分自身の人生の岐路となるような時期をさしているのだと思うが、もっと広く、JAMやHeal the worldのように、文字通り「世界を変えよう、それは君たち一人一人の肩にかかっている」というようなことをいってるようにとってもいいのかもしれない。

前者にとるなら 「ここぞってときは、やるべきことをきっちり真剣に取り組め、熱意にまかせてやりきらなきゃだめさ」という感じだし、後者に撮るなら「この世界は君たち一人一人の肩にかかっている、だから背筋をただし熱意をもって生きていかなくちゃいけないんだ」みたいな感じになるんだろう。

staighten upは、直接的には「背筋・姿勢を正す」、他に「行いを正す」という意味もある。
boggie はブギだけど、結局波にのれ、という感じだろう。downはそれに「とことん」、を付け加えている感じ。

If you can't hang with the feeling
自分の気持ちに向き合えないなら
 then there ain't no room for you this part of town
 ここに君の居場所なんかない


hang with は、親しくする、とか付き合うとかいう意味。だから、hang with the feelingは自分の気持ちに向き合うことだろう。

マイケル・ジャクソンが繰り返し伝えてくるメッセージの一つは「自分の感情を大切にしろ」だと思う。この歌もそう。生きていくなら、自分の感情、自分の心の声をはっきり自覚して、その声にしたがって生きること。素直になって自分が本当に欲しているものを見失わないこと。もちろん、それは単なる欲望ではなくて、心の奥から聞こえてくるような情熱のようなものだろう。

それこそが人生の軸なのだ。そこに目をつぶるなら、この世の中に、この人生に、自分の居場所なんてなくなってしまう。自分を生きられなくなってしまう。

'Cause we're the party people night and day
だって俺たちパーティー仲間、夜も昼も
 livin' crazy that's the only way
 イカれた生き方、それしか知らない


partyは心躍る生き生きした時間、つまり、本当に人生を生きている時間のこと、crazyは熱中している、という意味合いだと思う。他の人が何をいっても、自分の信じるもののために集中する、情熱を傾けて一心に打ち込む、そういう生き方がlivin' crazy。that's the only way それが僕らの唯一の道、本当に自分を生きていこうとしたら、そうするしかないのだ、そういう意味なのだと思う。

俺たちは、真剣に、心の声にしたがって本当の人生を生きてる仲間なんだ。昼も、夜も、たとえ周りから何を言われようと、自分の信じる道を一心につきすすむ、それが唯一の生き方なのさ。

So tonight gotta leave that nine to five upon the shelf
だから今夜は埃かぶった9時5時の暮らしは投げ出して
 and just enjoy yourself
 ただ楽しめよ、君の心のおもむくままに


自分の心のままに生きること、は、結構むつかしいこと、勇気がいること。本当にやりたいことは後回しになっていく。その大きな原因はお金のため。nine to five、9時5時は、昼間のライスワークの勤務時間、ここでは、生きていくため、「現実」のために、自分を殺して生きている日々の暮らしのことだろう。

だから、彼は誘う。「今夜はそうした自分を縛り付けているものを一回投げ出して、自分の本当の声に耳を傾けて、楽しんでごらん」、と。

Groove, let the madness in the music get to you
踊れ、リズムの狂気に身を任せ
 life ain't so bad at all if you live it off the wall
 人生そんなに悪いもんじゃないさ、君ががむしゃらに生きていくなら


Grooveはrockとかbuggieとかと同じで、もともとは音楽の種類だけど、ノリを表すだけのことばだと思うので、ここでは意訳。musicも訳詩のほうの雰囲気を優先して意訳。

Off the wall の解釈は後述。

Life ain't so bad at all (live life off the wall)
Live your life off the wall (live it off the wall)
君の人生、がむしゃらに生きていけ


You can shout out all you want to
望むものは全て声にだして叫べばいいさ
'Cause there ain't no sin in falks all getting loud
大声だすのは罪じゃないから
If you take the chance and do it
チャンスつかんだなら、やってみろ
Then there ain't no one who's gonna put you down
誰も君をとめられないさ


put you down はくじく、へこませる。

ほしいものがあるなら、望むことがあるなら、したいことがあるなら、それははっきり口にだせばいい。でも、実際にはついつい、言えなくて、かくしてしまう。笑われたり、非難されたりするのが怖いのかもしれない。望みを口にだすのは悪いことだといわれて育ったのかもしれない。そうやって心に何重もの呪縛をかけて自分で自分を縛ってしまう。自分を縛っているのはほかならない自分。

だから、望みに素直になって、それを口にだして悪いことなんかない、チャンスがあれば、やってみればいい。自分で覚悟を決めて、やってみるなら、それは自分の人生、誰も止めたりできないから。

'Cause we're the party people night and day
livin' crazy that's the only way

So tonight gotta leave that nine to five upon the shelf
and just enjoy yourself
C'mon groove, let the madness in the music get to you
life ain't so bad at all if you live it off the wall

Life ain't so bad at all(Live life off the wall)
Life your life off the wall(Live it off the wall)


Do what you want to do
やれよ、君がやりたいことを
There ain't no rules, It's up to you(Ain't no rules, It's all up to you)
ルールなんてない、すべて君次第


そう、本当に生きるってのは、やりたいことをやること。やればいい。ルールなんて実はない。すべては君次第でどうにだって道は拓けるのだから。

。。。。まあ、もう一ついうなら、他の人が責任取ってくれるわけでもないけど。そういう意味でも全部自分次第。だから尋常じゃない覚悟をきめた、crazyじゃないと自分の人生は生きていけないのだけど。

It's time to come alive
生き返れ
and party on right through the night(all right)
本来の君に戻って夜通し踊ろう


ここも意訳。本来は、「生き返る時だ」。on right は、正しい状態、あるべき状態、ということなのだと思う。

Gotta hide your inhibitions
躊躇いなんか押しやっちまえよ
Gotta let that fool loose deep inside your soul
君の魂の奥深く眠る愚か者を解き放て
Want to see an exhibition
やってやろうと思うなら
better do it now before you get to old
今やるべきさ、年老いてしまう前に


愚か者、foolは打算とか、常識とかに捕らわれない、本当の自分のことだと思う。そして、計算だの常識を考えない人を、世間は「馬鹿」と呼ぶ。

exhibitionは、見もの、見世物、すごいもの。そんな感じ。そういうものを見たいと思うなら、今行動を起こせ、年取ってしまう前に。後回しなんかにするな、気が付いたときにはできなくなっちゃうから。

'Cause we're the party people night and day
livin' crazy that's the only way

So tonight gotta leave that nine to five upon the shelf
and just enjoy yourself

C'mon and groove(Yeah) let the madness in the music get to you
life ain't so bad at all if you live it off the wall

Life ain't so bad at all(Live life off the wall)
Life your life off the wall(Live it off the wall)

(繰り返し)


がむしゃらにあたっていくなら、人生はそんなにわるいものじゃない、覚悟を決めて、己が信じた道を突き進め!この歌は、そいういうすごく真摯でアツい歌。

Off the wall は風変わりな、奇妙な、という意味。風変わり、とは、周りの常識・標準に合わないこと。つまりは周りが決めること。周りが勝手につくった「壁」に捕らわれず、自分の心の声にしたがうのが off the wall。

それは笑われても、うまくいかなくても、全部自分が引き受ける覚悟で必死にいきること。曲の最初にでてくる笑い声、これはwallをつくる世間の冷たい中傷の声なんじゃないかと思う。だからこそ、一心に、まっすぐに突き進まなくちゃいけない。世間はそれをcrazyという。

そんなことを考えていたらoff the wallをがむしゃら、と訳してみたくなった。


まだ少年のあどけなさものこりつつ、青年の逞しさも少しづつ見えてきたマイケル・ジャクソン。Thrillerの完璧なプロモーションの洗礼を得てスーパースターになる前の、それでもキャリアも実力も名声も十分な、スーパーアイドル。この歌を何度も、何度も歌いながら、自分にも言い聞かせていたんじゃないかと思う。自分の感情の声、魂の導きにしたがって、自分の信じる道をただひたすらに、クレイジーに生きるんだ、って。

そして、その通り、生きたんだろうと思う。

参考にさせていただいたページ
http://mjetc.blog.fc2.com/blog-entry-162.html
http://mettapops.blog.fc2.com/blog-entry-700.html
posted by LightWing at 00:09| Comment(2) | TrackBack(0) | Off The Wall | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Loving you の和訳を検索していて、こちらのブログを知りました。Loving you 以外の和訳も全てしっくりと心に入ってきて、昨夜は寝るのも忘れて読ませていただきました。今更ながらMichaelはなんて素晴らしい歌を残してくれたのだろう!歌詞の奥深い意味を知り涙が止まりませんでした。良い和訳をアップしていただき感謝しています。ありがとうございました。
Posted by Liko at 2015年03月19日 12:43
素晴らしいです。
感謝です!
本当にありがとうございます。
Posted by テアトル at 2016年05月03日 09:04
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