2013年08月01日

Another Part Of Me(1987年)

マイケルジャクソンに興味はなくても、キャプテンEOは見に行った。立体映像でその顔が映し出されれば、興味がない私にも、それが誰であるかはすぐにわかった。彼はスーパースターだった。そして、別にファンではなくても、スクリーンで踊り、歌う、褐色の青年は純粋にかっこいいと思った。私はそれまで、いかつい、怖い、黒人にたいしてちょっと、そんな偏見をもっていたのではないかと思う。けれど、スクリーンの青年はとても美しく、かっこよかった。褐色の肌も黒い髪も、美しいと思った。

それを、この曲をきっかけに思い出した。好青年の役だったこともあって、BADやThrillerのマイケルジャクソンよりは、私には受け入れやすかったのもあるんだろうと思う。マイケルジャクソンはかっこいい、そう私の記憶に刷り込まれたのは、このときだったんじゃないかと思う。

ただ、ストーリーはさっぱりわけがわからなかった。悪の帝国に乗り込んで、悪いやつらに襲われそうになるけど、彼が歌い、踊りだすと、なぜだかみんな姿が変わって、一緒に踊りだすのだ。最後は敵の親玉がおどろおどろしい姿から、女神のような姿になり、あたりの景色もスター・ウォーズのデス・スター内部みたいな無機質でモノクロなものが、ギリシャ神殿みたいな光にあふれ、彩り鮮やかな世界に替わって。悪い夢から覚めたような敵のボスがにっこりと微笑み、マイケルを見送る。

ぽかーん、、、なんだ?これ??が感想だ。私は理解力が悪いのか?何か誤解をしてるのか?これのどこが面白いのか?ディズニーだってあんまりだ、、、、。私は本気で悩んでしまった。

けど。今ならわかる。誤解もなにもない。ストーリーはそのまんまだ。私が理解力がないのではない。マイケルが描きたかったストーリーは、まさしく先に書いたとおりなのだ。セガの知る人ぞ知る不思議なゲームの世界でも、マイケルはこの世界観を繰り返している。敵が倒れるのではなく、一緒に踊りだす、という世にも不思議なゲームなのだそうだ。名前はmoon walker。そしてもっと言うなら、こうした世界観の原型は既にBeat Itに見て取れる。

Beat ItのPV。まさに抗争中、殺し合いの決闘中のギャング団同士が、なぜかしらマイケルが止めに入って、歌い、踊りだすと、決闘を投げ出してみんなで踊りだすのだ。ちょっと引いてみれば、そんな訳ないだろ、とつっこみたくなるような演出を、本物のストリートのギャング団捕まえてきてまで、大真面目にやってみせたのがあのPVなのだ。そしてこの演出は、BADツアーのライブでもステージ上で再現されている。

この世界観がマイケル・ジャクソンなのだ。彼は、自分に害なそうとするものであっても、決して死んでほしいとか、いなくなってほしいとは思わない。ただ、本来の姿に戻って、手を携えて生きていけるようになることを真剣に願っている。みんな踊りだすような演出こそなくなるけれど、たぶん、これは、後のHIStoryの戦車の演出とつながっている。

HIStoryの最後、向かってくる戦車、銃を携え、自分を狙う兵士が、少女の差し出した花に崩れおち、なきながら少女を抱きしめる。敵も悪もない、本質は美しいもの、自らと同じ暖かいもの。倒すべきものではなく、その本質を呼び起こし、手を携えるべき相手。ともに歌い、ともに踊る仲間。それがマイケル・ジャクソンの夢であり、願いなのだ。

"Make love your weapon to overcome any evel."
どんな悪を打ち負かすときでも、愛を君の武器とするんだ。

BADツアーのときにマイケル・ジャクソンが、ホテルの黒板に落書きしたメッセージだという。ほんとかどうかは知らない。日本テレビのドキュメンタリーに流れてた、というから、なにか書いてくれ、と頼まれて書いたのかも知れない。

けど、中身はまさに彼のメッセージじゃないかと思う。
 善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや。
 悪を抱き参らせよ。
彼のメッセージにはこの国につたわるメッセージとなにか似通った、東洋的なものを感じる。正義、ではなく、寛容。それが彼の愛なのだろう。

この曲は、キャプテンEOの中の曲。歌詞が宇宙人ぽいのはそのため。生涯変わらなかった彼の願いが、この上なくストレートに、そしてピュアに表現されている。

We're takin' over
俺たちは受け継いでいる
We have the truth
俺たちは真実を手にしてる
This is the mission
これは使命
To see it through
俺たちはやり遂げなくちゃならない


Don't point your finger
人任せにしてはならない
Not dangerous
危なくなんかない
This is our planet
ここは俺たちの星
You're one of us
君は俺たちの仲間


We're sendin' out
俺たちは送り続けてる
A major love
大いなる愛を
And this is our message to you
これは俺たちの君に向けたメッセージ
(Message to you)
The planets are linin' up
星々は列をなし
We're bringin' brighter days
俺たちはもっと輝かしい時代を連れてくる
They're all in line
皆が列をなし
Waitin' for you
君を待ってる
Can't you see
見えるか
You're just another part of me
君はまさにもう一人の俺


Out from a nation
国家なんてものの外から
Fulfill the truth
真実はもたらされる
The final message
最後のメッセージ
We'll bring to you
俺たちは君に伝える
There is no danger
危なくなんかない
Fulfill the truth
真実を実現しよう
So come together
だから一緒にやっていこう
We need you
俺たちは君が必要だ


We're sendin' out
A major love
And this is our message to you
(Message to you)
The planets are linin' up
Bringin' brighter days
They're all in line
Waitin' for you
So look the truth

You're just another part of me


We're sendin' out
A major love
And this is our message to you
(Message to you)
The planets are linin' up
Bringin' brighter days
They're all in line
Waitin' for you
Can't you see

You're just another part of me
Another part of me


We're takin' over
俺たちは引き継いでいるんだ
This is our time, baby
もう俺たちの番さ
Another part of me
もう独りの俺



posted by LightWing at 06:29 | TrackBack(0) | BAD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。