2013年07月24日

Don't stop 'til you get enough(1979年)

ちょっと若いころのやつを。

彼はまちがいなくアイドルだった。アイドルであるべき彼の歌にはいわゆる「ラブソング」が多い。この歌もああ、アイドルだなって気がする歌。華奢で中性的で、歌のものすごくうまいジャクソン5の最年少メンバー。それが独立して「マイケル・ジャクソン」としてスーパースターになっていく過程のきらきらした歌は、単純にみてて楽しい。アフロヘア時代のマイケル・ジャクソンって結構和む。デビューしたときから歌うまいし。ダンスうまいし。

Lovely is the feelin' now
素敵、それが今の気持ち
Fever, temperatures risin' now
情熱は高まっていく
Power (ah power) is the force the vow
その力に確信する
That makes it happen
願いは叶うと
It asks no questions why (ooh)
理由なんか必要ない
So get closer (closer now) to my body now
だから、もっと僕のそばにおいで
Just love me 'til you don't know how (ooh)
僕をこれ以上できないってくらい愛して

Keep on with the force don't stop
とめられないくらいの力で進み続ける
Don't stop 'til you get enough
君が満足するまで止まらないで

(繰返し3回)

Touch me and I feel on fire
僕に触れて、僕に火がつく
Ain't nothin' like a love desire (ooh)
愛を求める心に並ぶものなんて何もない
I'm melting (I'm melting) like hot candle wax
僕はろうそくみたいに溶けてるよ
Sensation (ah sensation) lovely where we're at (ooh)
僕らが感じてる愛しいって感覚
So let love take us through the hours
だから愛よ僕らに時間を越えさせて
I won't be complainin'
文句なんかいわないさ
'Cause this is love power (ooh)
これは愛の力だから

Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
(Ooh)

Heartbreak enemy despise
恋に破れたライバルは馬鹿にする
Eternal (ah eternal) love shines in my eyes (ooh)
僕の瞳に永遠の愛が輝く
So let love take us through the hours
I won't be complainin' (no no)
'Cause your love is alright, alright
君の愛はすばらしい、すばらしいから

Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
(8回繰返し)

Lovely is the feeling now I won't be complainin' (ooh ooh)
The force is love power

Keep on with the force don't stop
Don't stop 'til you get enough
(ずっと繰返し)


マイケル・ジャクソンの細い体のラインは、50歳としては驚異的。最後はそのための食事の節制も寿命を縮めたのかもしれない。なぜ、こんなに細いのか。大人になったあと、ジャクソン5のメンバーとして他の兄弟と写っている写真をみてると、あれを維持することが彼にとってのアイデンティティだったんじゃないかと思う。

他の兄弟だって、結構よく似た顔を持っていて、メイクや体の鍛え方次第で、マイケルそっくりになることができるはず。けど、兄弟の中に入るとマイケルだけが完全に雰囲気が違っている。整形した鼻、長いまつげ、少し細くした眉、そしてなにより結構マッチョな兄たちに比べ、彼一人がすごく細い。そのことによって、彼は、歌わず、踊らなくても完全にジャクソン5のメンバーからぬきんでている。そうすることで、はじめて彼は、ジャクソン5の一メンバーじゃなく、マイケル・ジャクソンになれたんじゃないだろうか。

また、兄弟はみんなとても黒人男性っぽい。声も、体も。けれど、黒人であることは、必ずしもキャリアにプラスにならない現実がある。どんなに歌がうまくても、ダンスがうまくても、ショウビジネスのキャリアのトップはやっぱり白人だったりする。褐色の肌、厚い唇、縮れた髪の毛、太い鼻、筋肉質の体は、どんなにそれが美しくてもやはり不利に働く。うれるためには、周りの基準にあわせた美しさを獲得する必要がある。いくら、歌がうまくても、ダンスがうまくても、それができなければ、トップは難しい。

マイケル・ジャクソンはそれをも超えようとしたんじゃないだろうか。そんなふうに思う。徹底的にストイックに美にこだわる。黒人でも白人でもない、完全な美を求めたんじゃないだろうか。美しくなければならない。絶対に。白斑ややけど痕(どの程度だったかは公表されていない。けれど、やけどした後はウィッグに頼っていた)などの深刻な問題を抱えた彼に、それはどのくらい大変なプレッシャーだっただろうと思うけれど。衣装を脱いで、メイクを落としたとき、もし彼が自分の素顔に酷いコンプレックスを持っていたとしても、そのほうが普通だ。

ただでさえ見てくれを気にするショウビジネスの世界で、並みの人間だったら耐えられない悩みかもしれない。けれど、それを逆になんとか活かしてきたのではないかと思う。トレードマークの片手手袋も、後年のもう国籍さえ不明なPVも、そうした中で生まれたもの。

バッシングはあったけれど、それでも彼は負けなかった。「常識」からすると考えられない肌の色や要望の変化は、以前は怖かったけれど、今は、それを見事にマジックに変えて見せた彼をすごいと思う。そうした葛藤あっての彼だろうと思う。


けれど反面、そうなるまえの初々しい彼に和んでいる自分もいる。ただ屈託なく歌う唄。いいなあと。
晩年の彼は戦士。少年の頃の彼は天使。
posted by LightWing at 08:41 | TrackBack(0) | Off The Wall | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。