2013年07月20日

Whatever Happens(2001年)

スペインの石畳に響く哀愁のギター、、、、なんかそんなイメージがしてしまう。
反面、とてつもなく日本的なわびしさが漂ってる気がしてしまう。

He gives another smile,
彼はもう一度微笑んで
Tries to understand her side to show that he cares
彼女を理解しようと
大切に思ってることを示そうと努力する
She can't stay in the room
彼女は部屋にいたたまれず、
She's consumed with everything that's been goin' on
目の前で繰り広げられることにいちいち心を乱す
She says
彼女は言う

Whatever happens, don't let go of my hand
何があっても、私の手を離さないでね、と


二人の心はすれ違うばっかり。どうやって彼女をケアしていいかわからない、彼。もう、おきることいちいちに疲れてしまう、彼女。気遣いを見せようとする彼をみても、どうせ分かり合えないんだと彼女は絶望的になるばかり。けど、別れたいわけじゃない。だからいう。「ねえ、絶対この先もそばにいてね」

このシチュエーション、疲れちゃうだろうなと思う。どっちもいやになっちゃうだろう。

Everything will be alright, he assures her
すべてうまくいくよ、って彼は彼女をなだめるけれど
But she doesn't hear a word that he said
彼の言葉は彼女に届かない
Preoccupied, she's afraid
心はどこかにとらわれたまま、彼女は恐れてる
Afraid that what they've been doing not right
今までの二人は間違ってたんじゃないかと恐れている
He doesn't know what to say, so he prays
彼は言う言葉も見つからず、だから祈る
Whatever, whatever, whatever
何が、何が、何が、

Whatever happens, don't let go of my hand
何があっても、僕の手を離さないで、と
Whatever happens, don't let go of my hand
Whatever happens, don't you let go of my hand

Don't let go of my hand
僕の手を離さないで
Don't let go of my hand


彼だって彼女を思ってる。ずっと離れたくないって思ってる。とにかく不安な顔ばかりしてる彼女をなだめたくって、彼女の笑顔を見たくて、「大丈夫」なんていってみたりするけど、そんな根拠のないこといっても彼女の耳には届かない。ひたすら不安に思ってる彼女。結婚自体間違いじゃなかったのかと。

そんなこといわれても、何ていっていいかわからないから、彼は祈る。ずっと、二人この先も一緒にいられますように、と。

He's working day and night, thinks he'll make her happy
彼は昼も夜もなく働きづくめ、彼女を幸せにすることを思って
Forgetting all the dreams that he had
持ってた夢などすべて忘れて
He doesn't realize it's not the end of the world
別にそれで世界が終わるわけじゃないのに、それは彼にはわからない
It doesn't have to be that bad
そんなに酷いわけじゃないのに
She tries to explain, "It's you that makes me happy,"
彼女は伝えようと努力する「私を幸せにするのはあなたなの」
Whatever, whatever, whatever
何が、何が、何が、

Whatever happens, don't let go of my hand
何があっても、私の手を離さないでね、と
Whatever happens, don't let go of my hand
Whatever happens, don't let go of my hand
Whatever happens, don't you let go of my hand

Whatever happens, don't let go of my hand
Whatever happens, don't let go of my hand
Whatever happens, don't you let go of my hand

Whatever happens, don't let go of my hand


ああ、、、ありがち。

歌詞はあまりにも典型的な男女のすれ違い。多分二人は夫婦。それも結構な年月を一緒に過ごしてきた感じ。そして、男が一生懸命働いて、女を幸せにするんだ、という価値観をもって、実際そういうライフスタイルをとっている。おかげでマイケル・ジャクソンの歌なのに、なぜか日本的、それも昭和のにおいを感じてしまう。

とにかく彼は彼女を幸せにしたい。だから、一生懸命働いて稼いで、いい思いをさせてあげようと努力する。自分の夢なんかもうとっくに置き去りにして。べつに、お金が多少不自由でも世界が終わるわけじゃない。今だってそんなに酷いわけじゃないのに。まるで一昔前のジャパニーズ・サラリーマン、、、。

彼女にとっても、それは望むことじゃない。「お金じゃなくて、あなたにいて欲しいのに。どうしてそばにいてくれないの?」結局いいたいのはそういうことだ。「お願いだから、ずっとそばにいてよ。私とずっと一緒にいてよ。」そう泣きじゃくって、このままじゃきっと二人もううまくいかないとおもって、また不安になる。これもまるで一昔前の日本の妻。

で、多分出だしに戻る。またそんな彼女をみて、彼は力なく笑い、、きっと、どうしようかと思い悩むのだ。なんてわびしい、不毛な無限ループ。

この二人たぶん、このあと破局しちゃったんだろうなと思う。

マイケル・ジャクソンの歌は、いつだって男目線。この歌も男の立場からの歌。そして、歌の中の彼は、彼女を泣きやませようとしてますます働いて、寂しがらせる、という意図とはうらはらの、最悪な方向に動いている。けれど、たぶんそれが間違いだったことに後から気づいたんだろうと思う。それで、 He doesn't realize it's not the end of the world、It doesn't have to be that badといっているのだ。

毎日に一生懸命になっていると、忙しさに本当に大切なものがおいていかれることがある。そんなときは目の前に一生懸命だったつもりが、実は幻の「明日」にとらわれていることが多い。今でも二人一緒にいるという幸せがあるのにそれに目を向けず、彼女は不幸だから一生懸命働いて明日は幸せにしようと思う彼と、明日は一緒にいられなくなるんじゃないかと不安におびえる彼女。

彼がやるべきだったことは、今に感謝して、彼女のそばにいてあげること。それが彼女を安心させることだったんだろう。じゃあ、彼女のほうは?、、、といえば、これも今に感謝して、彼に素直に気持ちを伝えられていれば結果はちがったんじゃないかと思う。

悩んでるとすぐ解決を提示する。提示できないと気持ち悪く思っていたたまれない。理屈で考えるとそうなりがち。けどそもそも愛って理屈じゃないはず。愛は悲しんでようと、喜んでようと、そのまま受止めて、そばにいてあげること。彼はそれができなかった。彼女の不安を受止めるんじゃなくて、とにかくなだめようとした。そして、彼女も自分に一生懸命で彼の気持ちを受止めてあげることは多分できなかったんだろう。お互いに、それがうまくいかなかったんだろうな、、、

彼は彼女を愛しているし、一緒にいたいと思っている。祈ってないで言えばいいのに、、、と思わなくもない。ちゃんと言ったんだろうか。「大丈夫」じゃなくて、「この先も離れないでね、離れたくない」って。
もっとも言っても伝わらなかった可能性はあるけど。

彼女も彼を愛しているし、一緒にいたいと思ってる。彼は彼女を喜ばせようとしているのだから、喜ぶ方法を教えて上げられなかったんだろうか。今でもあなたがそばにいてくれるのはとてもうれしい、って今に感謝して、そして、でも、もっとそばにいてくれればもっと嬉しい、って、そういってあげられなかったんだろうか。もっとも、これも言っても伝わらなかった可能性はあるけど。

ただ、もうひとつ、難しいこともあるだろうな、とも思うこともある。実は女でも別にそばにいてくれなくていい、という人も多い。いてくれれば嬉しいけど、いてくれなくても別にそれはそれでいい。それでも確かに愛し合ってる。そんなカップルはちゃんといる。性格もあるけれど、もう一つの鍵は、お互いに心理的に自立して充足感をもっていることだろう。歌では、彼女は寂しいと思ってるけど、彼は寂しいと思っていない。思いは非対称なのだ。これは、多分、彼にはうちこむべき仕事があり、彼女はそれがないことも関係してると思う。彼女に自分の世界があれば、寂しい病はだいぶ減る(こんどはほったらかし病になるかもしれないけれど)。

お互い、離れたくないと思ってる二人の不毛なループ、ほんとうはどうにかできる問題だったんだって、ことはお互い破局してからしか気づかないものなのかもしれない。、、破局しても気づかない場合もあるかもしれないけど。


※コメント投稿は現在メールアドレス欄にメールアドレスらしきものを入力しないとErrorになるようで、困ったものです。入力したアドレスは公開されません。別にメールアドレス必須だとは思わないのですが、この欄を削除することができません。仕様じゃなくてバグっぽいです。
posted by LightWing at 18:44| Invincible | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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