2013年08月20日

Smooth Criminal(1988年)

まったくわからない曲。解釈いろいろ。こんな謎かけみたいな曲をたくさん残しているマイケル・ジャクソン。ぜんぜん訳がわからないのに、真っ白なスーツとハット、黒い腕章と、深いブルーのシャツ、ゼロ・グラビティのパフォーマンスとともにこれぞマイケル・ジャクソン、というシーンの一つになっている。

As he came into the window, It was sound of a cresendo
男が窓から入ってきた、大きな音が響き渡った
He came into her apartment, He left the bloodstains on the carpet
彼女の部屋に入ってきた、カーペットに血の跡を残していった
She ran underneath the table, He could see she was unable
彼女は机の下に逃げ込んだ、でも無駄だと彼にはわかってた
So she ran into the bed room, She was struck down, it as her doom
そして寝室に駆け込んだ、彼女はやられた、それが彼女の運命だった


It was sound of a cresendoは突然大きな物音がする、という感じを連想する表現で、だんだん大きくなる、のではなく、brustするイメージなのだそうだ。何の音だったのかは曲にはかいてない。

She was struck down も、死んじゃったのか、倒れただけなのかよくわからない。

Annie are you ok? So, Annie are you ok, Are you ok, Annie?
大丈夫、アニー?ねえ、アニー、大丈夫?大丈夫、アニー?
(繰返し3回)


Annie are you ok?は、Annieはアメリカの人工呼吸練習用の人形の名前で、訓練の時には、"Annie, are you ok?"って声をかけながらやるのだそうだ。これがもとだ、とBAD25周年の番組かなんかで流れてたらしいけど、本当なのかはわからない。

Annie are you ok? Will you tell us that you're ok?
アニー、大丈夫?答えて、君は大丈夫?
There's a sign in the window that he struck you, a cresendo Annie
彼が君をやった、窓に痕跡が残ってる、大きな物音、アニー
He came into your apartment, He left the bloodstains on the carpet
彼女の部屋に入ってきた、カーペットに血の跡を残していった
Then you ran into the bedroom, you were struck down, it was your doom
そして寝室に駆け込んだ、君はやられた、それが君の運命だった


Annie are you ok? So, Annie are you ok, Are you ok, Annie?
(繰返し2回)
You've been hit by, You've benn hit by a smooth criminal
君はやられた、君はやられた、静かな犯罪に


So they came into the outway, It was Sunday, what a black day
そして外には奴らがやってきた、日曜日だった、なんて忌わしい日
Mouth to mouth resuscitation, Sounding hertbeats, intimidations
人工呼吸の蘇生活動、聞こえてくる鼓動、、、、脅迫


Annie are you ok? So, Annie are you ok, Are you ok, Annie?
(繰返し3回)

Annie are you ok? Will you tell us that you're ok?
There's a sign in the window that he struck you a cresendo Annie
He came into your apartment, Left the bloodstains on the carpet
Then you ran into the bedroom, you were struck down, it was your doom

Annie are you ok? So, Annie are you ok, Are you ok, Annie?
You've been hit by, You've benn struk by a smooth criminal


(OK, I want everybody to clear the area right now!)
(OK、総員直ちに退去せよ!)


(Annie are you ok?) I don't know!
(アニー、大丈夫?)わからないわ!
(Will you tell us that you're ok?) I don't know!
(教えて、君は大丈夫?)わからないのよ!
(There's a sign in the window) I don't know!
(窓に痕跡が残ってる)わからない!
(That he struck you-a cresendo Annie) I don't know!
(彼が君をやった、大きな音、アニー)わからない!
(He came into your apartment) I don't know!
(君の部屋に忍び込み)わからない!
(Left the bloodstains on the carpet) I don't know why baby!
(カーペットに血の跡を残した)どうしてなの!
(Then you ran into the bedroom) I don't know!
(そして君は寝室に駆け込み)わからない!
(You were struck down, it was your doom, Annie) Dad gone it!
(君はやられた、それが君の運命だったんだ、アニー)パパがやった!
(Annie are you ok?) Dad gone it, baby!
(アニー、大丈夫?)パパだよ!
(Will you tell us that you're ok?) Dad gone it, baby!
(教えて、大丈夫?)パパなんだ!


(There's a sign in the window) Dad gone it, baby!
(窓に痕跡が残ってる)パパなんだ!
(That he struck you-a cresendo Annie)
(彼が君をやった、大きな物音、アニー)
(He came into your apartment) Dad gone it!
(君の部屋に忍び込み)パパなんだ!
(Left the bloodstains on the carpet)
(カーペットに血の跡を残した)
(Then you ran into the bedroom) Dad gone it!
(そして君は寝室に駆け込み)パパなんだ!
(You were struck down, it was your doom, Annie)
(やられた、それが運命だったんだ、アニー)


もう、とにかくさっぱりわからない。タイトルのsmooth criminalの訳からして、何が適切なのかすら。やばそうな雰囲気、けれど、結局何がおきているのか?cresendoってなに?Dat gone itの意味は?

最初日本で紹介されたときは、恋泥棒(by 戸田奈津子氏)という解釈だったそうだ、、、。個人的には、それは違うんじゃないかって気しかしない。恋愛にみせかけて全然違うことを歌ってるのは、マイケル・ジャクソンにはよくあることだけど、これはちがうだろう。

歌われている場面は普通に考えて浮かびそうな性犯罪から、家庭内のニグレクトから、アニーはアメリカの人口呼吸練習用の人形の名前なんだ、なんて話まで、接する人によって実に様々。それだけどうとでも取れる歌詞なのだ。そしてアーティストはそれを楽しむ。

smooth criminalは映画 moon walker の後半のハイライトシーンに使われている曲。スーパースター「マイケル・ジャクソン」は世を忍ぶ仮の姿、実は宇宙から派遣されてきた「愛の使者」マイケル・ジャクソンが、、実は子供たちを麻薬漬けにしようとする悪の組織から子供たちを守る、というのがこの映画の設定。そして、後半、離れ離れになった友達の子供たちと待ち合わせをしたバーで繰り広げられるのがこの smooth criminal。

マイケル・ジャクソンのトレードマークになった腕章も、この曲がたぶん初登場。こめられた願いは「世界中の子供を救う」が定説。

だとすれば、やっぱりこの歌は、子供絡みだよな、と思う。しかも映画ではこの後は、ラストのCome together。私にはCome togetherは、マイケル・ジャクソンの、何があっても子供たちを守って見せる、という宣言だと思えてしまうので、smooth criminalはその複線となるようなストーリーがこめられているはずだという気がどうしてもする。

アニーは、たぶん、いたけな子供なんじゃないか。それが、殺されたのか、打ち倒されたのか、なんらかの犯罪に巻き込まれた。犯人はアニーの部屋に押し入り、そして寝室、つまりアニーのきわめてプライベートな領域で犯罪をおかし、消えた。そんなことができるのが犯人。

「大丈夫なのか?(Are you ok?)」と聞く僕に対して、アニーだと思われる声は、「わからないの!」と答えている。ものすごく女っぽいハイトーンの声なのに、マイケル・ジャクソン本人が当てているこのパートは、本当に悲鳴のよう。大丈夫か?と聞かれて本人がわからないって、それは何かおかしい。だとすると、この犯罪が侵したのは、やはりアニーの精神面、アニーは、犯罪にあって、それまでの一種の「正気」を失ったんだのではないか。

これ、、、子供が大人に染まったことの表現じゃないだろうか。ずいぶん悩んででた結論がこれ。マイケル・ジャクソンが惹かれる無垢な子供たちは、いつまでも無垢なわけではない。いつかどこかで、なにかにその清浄さを明け渡し、大人になっていく。そして今の社会のしくみでは、人間として成熟するのではなく、穢れた大人になっていくのだ。それを歌ったのがこの歌ではないか。マイケル・ジャクソンが愛してやまなかった、真実の愛をしり、裸の大様を一瞬で見分ける真実を見抜く子供の賢さは、いつかどこかで消えていく。これがアニーが奪われたものではないか。そしてこの清らかなものを奪うものこそ、smooth criminalではないか。

普通に「成体になる」という変化に加えて、親であったり、テレビであったり、世の中のしくみであったり、そんなものが子供のプライベートの領域に入り込んできて、子供は傷つき、あるいは清らかさを失いながら、大人になっていく。これがsmooth criminalであり、気づいた時には、自分の気持ちすらわからなくなる。それが泣き叫ぶアニーの声ではないか。

こうなってしまったアニーのもとに、土曜日に「彼ら」がやってくる。black dayの表現から悪いことなのは明らか。口伝てに、蘇生措置をとる=助けるようにみえてるけど、実はやってることは脅迫。これも犯罪の一部なんだろう。これは社会のしくみの比喩か?

でもあまりにも犯罪があざやかで、この犯罪は逃れるすべがない。そして犯人はつかまらない。というか、このケースに犯人なんか、いない。いないことにされる。

つまりsmooth creaminalは子供を狂気に染めて大人にする世の中のしくみ、じゃないかと思うのだ。それは本人にも周りにも自覚ないまま、静かに進行する。だから訳を「静かな犯罪」とした。

結局子供が、ムーンウォーカーの悪の手先「ミスター・ビッグ」に絡め取られるように、悪徳に染まっていく、そういう話じゃないかと思う。

そう思う理由はもう一つあって、この曲、よく、dengerousとセットになっている。dengerousの中に一瞬、smooth criminalが挟まる演出。dengerousの危険な女は、smooth criminalでやられたAnnieじゃないかと。

聖なる魂が堕ちる。smooth criminalはそういう瞬間。そして映画の中でマイケルは、その敵にマシンガンを放つのだ。

posted by LightWing at 17:36 | TrackBack(0) | BAD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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