2013年06月20日

This is it(2009年?)

マイケル・ジャクソンの遺作。実現されなかったコンサートのタイトル。リハーサルさえ映画になって観客を呼ぶ、そんなスーパースターの最後は、優しい、優しい歌だった。ファンに送った最後の歌。それが、本当に彼の人生の最後になってしまったけれど。

実際にはずいぶん前、80年代とかに作曲されていた曲らしい。だから、もともとはまだ少年のような想いを素直にあらわした曲だったのかもしれない。けれど、壮年になったマイケルはまた別の思いを込めて唄っていたのではないかと思ってる。

itは日本人にはとても困った単語。いろんな意味に変幻自在でとらえどころのない単語。This is itも、シチュエーションによって適切な訳が全く変わる。

でも、it が「自分が求めていた、まさにそれ」と考えれば、なんとなく意味はつかめてくる。
だから、ものを探している人に対して、あなたの探していた、あなたの欲しいっていってた、「これでしょ?」、になったり、あなたが、そこに向かってずっと努力していた到達点が、「いよいよだね」だったり、その到達点にたどり着くから「これで最後だね」になったりする。「本物だ」も同じ。偽者ばかりに出会いながら、探し続けていた、求め続けていた、まさに本物、のニュアンス。

ここでのitは、「捜し求めていた本物の愛」だろう。でもその「本物の愛」を普通の恋愛に捕らえると、あまりにナイーブ過ぎる気がして。書いたときはそうだったかもしれない。でもマイケル・ジャクソンは、これでコンサート活動もすべて終わりにするつもりでいたように見える。わざわざ、そんなコンサートに持ってくるはずがないと思うのだ。もっと、普遍的な愛、だから真実の愛なんだろうと思うのだ。

だから This is itは、これが捜し求めていた答え、愛を求めてさまよった末に出会ったなんらかの真理、答え、到達点だと考えて、「そういうことなんだ」とした。異論はたくさんあると思う。

written by Michael Jackson & Paul Anka

This is it, here I stand
そういうことなんだ。僕はここに立っている。
I'm the light of the world, I feel grand
僕はこの世界の中で輝いている。偉大なものを感じてる。
Got this Love, I can feel,
この愛を手に入れたから、感じることができるんだ。
And I know, yes for sure, It's real.
僕は知っている、そう、確かに、これは現実なんだ。


This is itは、「僕」が真理を見つけた喜びの表現と理解した。最愛の相手、運命の愛を見つけた、という意味ももちろんあると思うけれど、それを超えた、真理を彼は見つけたんだと思う。grandにそういうニュアンスを感じる。

僕は、確かにここに立って、自分がこの世界の中の光の存在だと感じている。そうなのだ、ひと、ひとりひとりは、かけがえの無い存在、この世界の中で光輝く存在なのだ。おそらくこの辺の感覚は、マイケル・ジャクソンが幼い頃から、神を意識し続けてきたことと無関係ではないだろう。そして皆がこの世の中で光輝く存在であることには、神の恩寵とか愛とか、そうしたものを感じているのではないか。だから僕は「偉大」な感覚を抱くのだ。

Got this love, I can feel。そんな風に人に気づかせることができるのは、やはり愛。本当の愛に気づいて、だから僕はそう感じられるようになったのだ。この愛も、自分が光の存在であることも、みんな真実なのだと。

And it feels as though I've seen your face a 1000 times
1000回もあなたの顔を見てきたように感じているのに。
And you said you really know me yourself,
あなたは僕をよく知っているといったね。
And I know that you have got addicted with your eyes,
あなたの瞳で、あなたが僕に惹かれてきたのがわかる。
But you say you're gonna leave it for yourself,,,Oh
でもあなたはそれをあなた自身のためにそっとしておくというんだね。ああ。


魂の愛ってあると思っている。そう思いたい。

「もうずっとずっと昔から、あなたの顔をみてきた気がするのにな。」と僕は思う。でも不思議なことに、後の歌詞からわかるように、僕があなたを知ったのは、ほんの最近のこと。それまでは聞いたこともない人だったのだ。「こんなに前から知ってる気がするのに、、ほんとは知り合ったばかりなんだよな。不思議だな。」そういう意味だろう。それくらい、「僕」にとって「あなた」はしっくりと馴染む存在なのだ。

けれど、「あなた」のほうは、ほんとうにずっと前から「僕」を知っていてくれて、「僕」を思っていてくれていた。だから、「あなた」は「わたしはあなたをよく知っているわ」というのだ。そして今の僕には、あなたが僕に本当に想いを寄せていてくれることもよくわかる。

後々の歌詞をみていても、この「あなた」が、本当に「僕」をまるごと受け入れ、「僕」の幸せを願うことが、自分の幸せであると思っていることが感じられる。だから「僕」も「あなた」に惹かれ、この愛が「本物だ」と思ったんじゃないだろうか。

そして彼女には僕をそっとしておくことが自分の喜びだといっている、きちんとほんとうの「僕」を受け入れる覚悟があるから。その優しさに「僕」は歓喜しているのではないかと思う。

I never heard a single word about you,
僕はあなたのことを聞いたこともなかった。
falling in love wasn't my plan.
恋に落ちるなんて想定外だった。
I never thought that I would be your lover
あなたと愛し合うなんて考えたことがなかった。
Come on baby, just understand.
おいで、僕の大切な人、ただ解ってほしい。


彼女は「僕」をずっと思っていたけど、「僕」はつい最近まで、全く彼女を知らなかったことをあらわすフレーズ。にも関わらず、出逢って程なく、「僕」は彼女に惹かれたのだ。そしてもう、何年も前から彼女と一緒にいるかのような懐かしい感覚の中で、安堵している。今二人は愛し合っている。

僕の純粋な気持ちをあなたにも、ただ、わかって欲しいという僕。もちろん、実際には、言葉にしなくても伝わっているだろう。

This is it, I can say,
そういうことなんだ、断言できるよ。
I'm the light of the world, run away
僕はこの世界の中で輝いている、行こう、手を取り合って。
We can feel this is real,
僕らにはこれが本当のことだってわかる。
every time I'm in love that I feel
僕はいつも感じてる。愛につつまれているんだと。


run awayは、駆け落ちする、みたいなニュアンスがある。別に疚しいことしてるわけではないので、これは「僕」と「あなた」が手を携えて、歩いていこう、という意味だと思う。

we can feel。僕だけではなく、あなた、もこの真実を共有してくれている。二人の雰囲気に周りをとろかすような光を感じる。

僕が、こんな深い愛を感じたのは初めてだ、という趣旨だと思うので、every timeを過去の恋愛にとると間違うと思う。every time I'm in loveは、僕が彼女の愛に包まれる、だろう。

And it feels as though I've known since a 1000 years
1000年もあなたを知ってるように感じているのに。
And you tell me that you've seen my face before
あなたは僕を見かけたことがあるといったね。
And you said to me you don't want me hanging around,
そして僕に自分のそばにいてほしいなんて思わなかった、といったね。
many times wanna do it here before, oh yeah
けど、幾度もそうしたかったんだって。ああ。


解釈がしにくいフレーズだけど、ここまでの歌詞にでてきたような「あなた」と「僕」の人物設定ができれば解ける。

ついこの間まで知らなかったあなたを、もう1000年も前から知っているように感じている僕。一方で彼女はずっと前から僕をしっていて、僕を思ってくれていた。何度もみかけたことがあるのよ、って彼女はいうのだ。

最後の2行も難しいけれど、彼女が本当の愛、つまり相手の幸せをひたすら思い、そのために行動することができる女性だとすれば謎は解ける。

彼女は自分の思いだけで相手を束縛するようなことをしたくない、と思っている。「僕」には自由でいてほしい。「僕」が行きたいところにいって、したいことをしていて、それで僕が幸せなら幸せなのだ。だから、「私はあなたをおもっていたけれど、だからといって、あなたにいつも私のそばにいてほしいなんて思ってなかったの」というのだ。

最後の行の主語も、ここまでの流れから彼女 youだろう。でも彼女だって、ほんとうは、「僕」がそばにいてくれたらどんなに幸せだろうと思っていた。彼女の本音、それをしない彼女の優しさ。そんなことを言われたら僕は愛しくてたまらなくなるだろう。このパラグラフは、後にでてくる歌詞の伏線。

I never heard a single word about you
僕はあなたのことを聞いたこともなかった。
Falling in love wasn't my plan
恋に落ちるなんて想定外だった。
I never thought that I would be your lover
あなたと愛し合うなんて考えたことがなかった。
Come on baby, just understand
おいで、僕の大切な人、ただ解ってほしい。


This is it, I can feel
そういうことなんだ、僕は感じられるよ。
I'm the light of the world, this is real.
僕はこの世界の中で輝いている、それはほんとうのこと。
Feel my song, we can say, and I tell you I feel that way
僕の歌を感じて。僕らには断言できるよ。
僕の感じてること、あなたに伝えるよ。


僕の愛しい思いを、僕は歌で彼女に伝えてる。それをfeel 頭ではなく心で、あなに感じて欲しいと思っているのだ。

And it feels as through I've known you for a 1000 years
1000年もあなたを知ってるように感じているのに。
And you said you saw my face yourself
あなたは僕を見かけたことがあるといったね。
And you said want to go with you, all the while
そしてずっと一緒にいたいといってくれたね。
And I know that it's really for myself, oh year
そしてそれは本当に僕のためでもあるんだよ。ああ


1回前にでてきた同じ旋律の歌詞と比べると、彼女の優しさと、二人が今は本当に愛し合ってることが伝わってくる。ただ、自分の片思いとして彼を愛しているうちは、彼女は、彼に自分のそばにいてほしいなんて思っていなかった。もちろん、そばにいてくれればいいと思っていたけれど、それよりも、彼にはしたいことをして、自由にしていて欲しかった。

けれど、想いが通じた今は、彼女は、ずっと僕と一緒にいたいといってくれるのだ。そして僕は、あなたが一緒にいてくれることが、僕のためでもあるんだ、という。今、僕のしたいことは、あなたとずっと一緒にいることだから。

I never heard a sigle word about you
Falling in love wasn't my plan
I never thought that I would be your lover
Come on Please dear, understand, Ahh

I never heard a single word about you
Falling in love wasn't my plan
I never thought that I would be your lover
Come on dear, please understand, Oh yeah

I never heard a single word about you
Falling in love wasn't my plan
I never thought that I would be your lover
Come on dear, please understand, Oh yeah

I never heard a single word about you
Falling in love wasn't my plan
I never thought that I would be your lover
Come on please dear, understand.


マイケル・ジャクソンが最後に残した歌は、優しい、優しい、本当の愛を唄った歌だった。
愛は、ひたすら相手の幸せを思うこと。そしてそのために行動すること。相手の幸せを心から自分の幸せに思うことができること。

けれど、本当の愛はすごく難しい。そもそも私達は自分自身が何がしたいのかをわかっていないことも多い。そして、愛しているからといって、束縛し、強制し、相手の意思を無視しても、それが相手のためだと言ってみたりする。

そんな偽りの愛から完全に自由な人と出会った。そんな完全な愛を手に入れた。それがthis is it。

なぜこれが最後の曲か。そういう愛で世界を満たして欲しい。マイケル・ジャクソンは心から、そう願っていたんじゃないかと思う。

参考にさせていただいたページ:
Eigo with Luke

追記

お遊び。旋律に乗せる用日本語訳。
見つけた、は、無理に訳さないでそのままでもいいのかも。

見つけた。 今ここで、僕は光に包まれて
この愛、見つけたから、 僕は真実を知ったんだ。

1000年前からずっと君と 一緒な気がするのに。
ずっと惹かれてたわ、と言ったね。だけど黙ってたの、と。

君のことなど知らなかったのに。この愛、想定外。
君を愛しているなんてね。おいで、伝えたい、、、。


見つけた。確かなもの。僕は光に包まれて、
いこう、手を取り合い 二人真実を知ったんだ。

1000年前からずっと君と 一緒な気がするのに。
自由にしてて欲しいと言ったね。ほんとは逢いたくても。

君のことなど知らなかったのに。この愛、想定外。
君を愛しているなんてね。おいで、伝えたい、、、。


見つけた。感じるんだ。僕は光に包まれて、
唄うよ、君に向けて 感じて、ただこの想いを。

1000年前からずっと君と 一緒な気がするのに。
ずっと一緒にいたいと言ったね。僕も同じ思いさ。

君のことなど知らなかったのに。この愛、想定外。
君を愛しているなんてね。どうか、伝えたい、、、。
posted by LightWing at 16:19| その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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