2013年06月04日

Heal The World (1991年)

美しい歌。易しい言葉で語りかけるように歌うマイケル・ジャクソン。中性的な声が女神のよう。この歌にはマイケル・ジャクソンの核心のメッセージがこめられている。マイケル・ジャクソンの伝えているメッセージのすべては、ここにつながっている。

written by Michael Jackson

Think about the generations.
And they say they want to make it a better place
for our children and our children's children
so that they.. they..
They know it's a better world for them
and I think they can make it a better place.

おとうさん、おかあさんから、こどもたち、そしてそのこどもたち、
そういうこと考えるの。
みんなね、いいところにしたいね、っていってるの。
自分の子供たちや、その子供たちの子供たちのためにね。
それはね、、それはみんなね、、、うーんと、、
みんなにはね、
それが自分たちにもいいところだってわかってるからなの。
だから、わたしね、
みんなはきっともっといいところにできると思うの。


PCでは美しいピアノが響き、戦火の中で、傷ついた子供たちの姿。赤ちゃんが映し出され、語りが始まる。

幼い女の子のかわいらしい語りの部分。舌足らずのしゃべりだからこそ、大人には内容がささるはず。子供のために、その子供のために、何世代もあとの未来のために、よくしよう、、、なんてことを考えている大人がいったいどれだけ今いることか。自分が生きるのに必死、自分が逃げ切れればいい。若者の目、子供たちの目に、今の時代、大人がそう映っていないと言い切れるのだろうか。

generationsは、日本語にすると子供がしゃべる単語ではないので、雰囲気壊さない訳に悩んだ。後半は、結局、未来をよくすることは、決して我慢なんかじゃなく、自分のためでもあるんだ、だからそういう世界は創れるんだ、という意味にとった。世代間の利害は相反しているように見えるだけ。本当は、未来の子供たちによい世界は、すんでいる人にも良い世界のはずだと。未来を考えず目の前の利益を追求する社会は、本当にその世代にとって幸せな世界だろうか。そう問いかけているのだと思う。

この少女は、そこを信じているから、「よい世界はかならず作れる」と思っている。私たちは確信できるだろうか。

There's A Place In Your Heart
And I Know That It Is Love
And This Place Could
Be Much Brighter Than Tomorrow
And If You Really Try
You'll Find There's No Need To Cry
In This Place You'll Feel
There's No Hurt Or Sorrow
There Are Ways To Get There
If You Care Enough
For The Living
Make A Little Space
Make A Better Place...

その場所は君の心のなかにある
それが愛だと僕は知ってる
そしてそれは明日より、今このときを輝かす
君がほんとにやってみるなら
わかるはずさ、もう泣かなくていいんだって
そこでは傷つくことも悲しむこともないんだ
そこにたどりつく方法はあるんだよ

もし君がそれを想うなら
生きている人のために
小さな場所をつくろう
もっといいところにしよう


戦火、KKKの秘密組織の影、そんなおどろおどろしい映像の背後から子供たちの笑顔が映し出され、歌がはじまる。

愛は充足をもたらす。愛は今、このときを輝かす。それが最初のフレーズの意味だと思う。

明日、なんて永久に来ない。明日は、明日には今日になり、また明日が沸いて出て、捕らえたはずの明日は逃げていく。足りない、足りない、まだ足りない、あるいは、なくなったらどうしよう。明日のために、今日はもっともっと得ておかなくては。そんな意識に取り付かれれば、今、このときが、「明日」のために犠牲になる。そして明日が今日になってもまた、次の明日のために、まだ今日は犠牲になる。永久にぬけられない不幸なラットレース。不安が呼び起こす奪い合いは、本当に必要のない部分まで奪い合ってしまうかもしれない。それで誰かが泣くかもしれない。愛の反対は、恐れ、だそうだ。恐れは不安を生み、今日を犠牲にして、決してこない明日を追いかけることが、人を不幸にする。

be here and nowこれが幸せに生きるための秘訣だといわれる。今、このときを味わい尽くし、精一杯生きること。それが本当に生きること。それは、怠惰とは違う。今日を精一杯生きる、今を精一杯味わう。それが充実感であり、その一瞬一瞬の積み重ねが幸福。だから、心の中にある愛がしまってある場所は、そんな「明日」より輝いているのだと思う。訳は少し言葉を補った。皆が充足感に満たされるなら、必要以上に奪うこともなくなる。

そういう世界は、本気で求めれば、見つかるとこの歌は説く。そこは奪いあうのではなく、分け与えあう愛の世界、そんな世界では、もう泣かなくてもいいし、傷つくことも悲しむこともないのだと。では、どうしたら、そんな世界が実現するのか?それは、一人一人が、心を愛で満たすことだというのが、マイケル・ジャクソンの世界観なのだろうと思う。だから呼びかける。「小さくても、愛に溢れた場所を作っていこう。」それを広げていけば世界はよりよい場所になるのだ。

大上段に世界平和を夢見てみても、それはなかなか叶わない。けれど、世界の無数の人々が、ひとりひとり、愛を抱くならそれは叶う。ひとりひとりが、自分から、自分の周りから始めることだ。そういうことだろう。これは、Man in the Mirrorなどにもつながる、マイケル・ジャクソンの歌に共通した呼びかけ。

Heal The World
Make It A Better Place
For You And For Me
And The Entire Human Race
There Are People Dying
If You Care Enough
For The Living
Make A Better Place
For You And For Me

世界をなおそう
もっといいところにしよう
君のために、僕のために
この世界のみんなのために
死んでいく人たちがいる
そのことを想うなら
生きている人たちのために
もっといいところにしよう
君のために、僕のために


healは傷を癒す、壊れたものをもとに戻すイメージ。みずからを支えているこの星を人間が壊していることに対する怒りがEarth Song。そしてその傷をみんなの愛で癒していこう、というのがこの Heal The Worldなのだ。マイケル・ジャクソンの世界観はみんなつながっている。

If You Want To Know Why
There's A Love That Cannot Lie
Love Is Strong
It Only Cares For Joyful Giving
If We Try We Shall See
In This Bliss We Cannot Feel Fear Or Dread
We Stop Existing And Start Living
Then It Feels That Always
Love's Enough For Us Growing
Make A Better World
Make A Better World...

どうしてか知りたいかい?
嘘偽りない愛があるわけ
愛は強いもの
与える嬉しさだけを想うから
僕らが本当にやってみるなら
わかるはずさ、この喜び
恐れもない、不安もない
ただいるだけの人生は終わり、
本当のいのちがはじまる
だからいつも感じるんだ
愛こそ僕らを成長させる
世界をよくしよう
世界をよくしよう


Heal The World
Make It A Better Place
For You And For Me
And The Entire Human Race
There Are People Dying
If You Care Enough
For The Living
Make A Better Place
For You And For Me

世界をなおそう
もっといいところにしよう
君のために、僕のために
この世界のみんなのために
死んでいく人たちがいる
そのことを想うなら
生きている人たちのために
もっといいところにしよう
君のために、僕のために


And The Dream We Would
Conceived In Will Reveal A Joyful Face
And The World We Once Believed In
Will Shine Again In Grace
Then Why Do We Keep Strangling
Life Wound This Earth Crucify Its Soul
Though It's Plain To See
This World Is Heavenly
Be God's Glow

僕らが確かに信じた夢は笑顔を取り返し
僕らが大切にした世界は
やさしさの中、もう一度輝く
なのになぜ僕らは続けるんだろう。
命を締め付け、地球を傷つけ、その魂を磔にして。
簡単にわかることなのに、
この世界は美しく神の喜びにあふれてること。


The Dream We Were Conceived In、は僕らが確信した夢。絶対そうなると信じた夢。Joyful Faceは笑顔。そしてRevealは本当はそこにあるのに、何かに覆われていたものが、もう一度現れてくること。笑顔を隠したのは、きっと、恐怖や、不安や、そういった愛とは対極にあるもの。でも僕らが、確かにその夢を確信するなら、取り戻すことができる。そして、今は痛めつけられている地球は、もう一度美しい場所になって輝きはじめるのだ。

ここには、世界は本来、輝いていて、人は本来笑顔で満たされているもの、それが自然だ、という世界観がある。この曲のタイトルもHeal the world。heal。新しく作るのではなくて、本来のところに戻そう。壊れたものをもとに返そう、なのだ。

だから、不安や恐怖をとりさって、きちんと見て見るならば、世界は美しく、神の喜びに溢れている。それは純粋な心、愛に満ちた心でみれば、簡単にわかることなのだ。それを見せず、その実現を邪魔しているのは、愛ではないもの、恐れや、憎しみや、恐怖や、、、、そういった愛ではないものなのだ。

Be God's Glowは神のよろこびあれ、だと思うけど、ちょっと日本語にすると唐突なので、ここでは普通の文章とした。

We Could Fly So High
Let Our Spirits Never Die
In My Heart
I Feel You Are All My Brothers
Create A World With No Fear
Together We'll Cry Happy Tears
See The Nations Turn Their Swords Into Plowshares
We Could Really Get There
If You Cared Enough
For The Living
Make A Little Space
To Make A Better Place...

僕らは飛べる、高く、高く。
僕らの心は、決して死なない。
こころの中で感じてる、
君たちはみんな兄弟。
恐れのない世界を創ろう。
みんなで一緒に幸せの涙流そう。
国同士の争いをやめて、平和に暮らす
そんな、世界にきっと届くよ。
そのことを思うなら
生きてる人たちのために
小さな場所を作ろう
もっといいところにするために


ここでのSpiritは肉体に対する霊魂じゃなくて、平和を願う心、だと思う。なので、ここでは普通に心で約した。Turn Their Swords Into Plowsharesは剣を捨て、鍬に持ち替える、戦いを止めて農業に返るという意味だが、修辞的表現だと思うので、普通に争いをやめて平和にくらす、とした。

Heal The World
Make It A Better Place
For You And For Me
And The Entire Human Race
There Are People Dying
If You Care Enough
For The Living
Make A Better Place
For You And For Me

世界をなおそう
もっといいところにしよう
君のために、僕のために
この世界のみんなのために
死んでいく人たちがいる
そのことを想うなら
生きている人たちのために
もっといいところにしよう
君のために、僕のために

(同じコーラス二回)

There Are People Dying
If You Care Enough
For The Living
Make A Better Place
For You And For Me

死んでいく人たちがいる
そのことを想うなら
生きている人たちのために
もっといいところにしよう
君のために、僕のために

(同じコーラス繰返し)


There Are People Dying は We Are The Worldにもでてきたフレーズ。もちろん、人が引き起こしたさまざまな厄災に傷ついたこの世界で、本来死ななくてもよい人が死んでいく、という意味だろう。そうした意味をきちんと受け止めるなら、もっといいところにしよう、この歌は結ぶ。


(You and For Me) Make a better place
(You and For Me) Make a better place
(You and For Me) Make a better place
(You and For Me) Heal the world we living
(You and For Me) Save it for our children
(You and For Me) Heal the world we living
(You and For Me) Save it for our children
(You and For Me) Heal the world we living
(You and For Me) Save it for our children

(あなたのために、僕のために)いいところにしよう
(あなたのために、僕のために)いいところにしよう
(あなたのために、僕のために)いいところにしよう
(あなたのために、僕のために)僕らのすんでる世界をなおそう
(あなたのために、僕のために)子供たちのために救おう
(あなたのために、僕のために)僕らのすんでる世界をなおそう
(あなたのために、僕のために)子供たちのために救おう
(あなたのために、僕のために)僕らのすんでる世界をなおそう
(あなたのために、僕のために)子供たちのために救おう


最後のコーラスとマイケル・ジャクソンの掛け合いのパートである。最後の最後は冒頭の女の子の声にかわって消える。

歌詞では略されてしまいそうな部分だけれど、ここに冒頭の女の子の言葉と呼応する重要なメッセージが隠れている。「子供たちのために」。これがマイケル・ジャクソンが強調すること。ここを落としてはいけない。

自分のために、いい世界にする、では、自分が生きてる間さえよければ、その後、どうなってもかまわない。そうではなくて、子供たちのために、未来のために、何が一番いいことなのか、という視点をもて、といっているのだ。たとえ、自分の生きている間に成果はでないかもしれないとしても、少しづつでもよくして、子供たちに、子供たちの子供たちに、そのまた子供たちに、いい世界を引き継いであげようじゃないか。そういっているのだ。今の日本にも悲しいくらいにかけている視点。誰が、経済を、環境問題を、エネルギー問題を、教育を、農業を、、、そんな視点で語っているか。すべて今、自分たちの世代がよければ、ではないのか。


マイケル・ジャクソンの世界観は、世界は本来すばらしいところで、人がそれを破壊している。だから、人が本来の愛を取り戻すなら、世界はすばらしいところに戻っていく、ということだ。無理せず、本来の自然の理に任せて生きるなら、皆が幸せになれる、そういうことだろう。

そして、そのために必要なことは、一人一人が自分たちのできることから始めること。一人一人が自分の心の中と、そして自分の周りを少しづつ愛で満たしていくことだと、これは歌がかわっても、一貫して訴えている。

傍観してはいけない。あなたは無関係ではない。その意味を思うなら、よいところを作ることなのだ。まずは自分の心の中に、そして自分の周りに。

そして、もう一つ重要なマイケル・ジャクソンの世界観は、他のみんなに良い世界は、あなたにとっても良い世界だということだ。直すのは、君のためでもあり、僕のためでもある。よくするのは、未来の子供たちのためでもあり、自分たちのためである。その利益は決して相反しない。それが彼の世界観なのだ。

みんなつながっている。誰かが不当によい想いをすれば、どこかがゆがむのだ。だから実は幸せになるときは、皆が一緒に幸せになるんだろう。それって素敵なことじゃないだろうか。

posted by LightWing at 00:21| Dangerous | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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