2013年06月21日

2BAD(1995年)

もともとは、HIStory2枚組みアルバムの中の1曲。後にGhostsというショートフィルム、、とはいえ30分越えの大作の中でIs It Scary、Ghostsと共に披露される曲の一つとなった。PVはGhostsの中の1カット。

2BADは、ラップで登場するシャーク・オニールとマイケル・ジャクソンの二人のヤバイ=格好いい男、という意味もあるだろうし、too BAD(やばすぎる、格好よすぎる)の意味もあるだろう。

そして、もうひとつ、BAD 2 の意味もあると思うのだ。最初のフレーズはBADの中にでてきたフレーズを踏襲している。他にもダンスやしぐさの中にBADを髣髴とさせる仕掛けが見られる。

BADは、仲間の少年達を諌める話だったが、今回はちょっと様子が違う。より凶悪なものに向かって虐げられても闘志を失わずに向かっていく、そんな姿が描かれている。

Told me that you're doin' wrong
Word out shockin' all alone
Cryin' wolf ain't like a man
Throwin' rocks to hide your hands

やばいことしてるって言ったよな
でてきた言葉はただ衝撃だよ
うそつき狼、人には遠いぜ
てめえの仕業隠すため、濡れ衣着せてやがる


この部分は、BADの後半にでてくる以下の歌詞を踏襲しているものだろう。

 The word is out you're doin' wrong
 Gonna lock you up before too long, 
  (中略)
 Your talk is cheap, You're not a man
 You're throwin' stones to hide your hands


もともとのYou're throwing stones to hide your hands は pointing the finger at others, so nobody would look at you(他の人を指さして、誰も自分に注目しないようにする)ということ。ただし、ここでは投げてるのが石から岩に変わっている。それだけ立ち向かっている相手の攻撃も激しさを増しているとうことだろう。

しかも、ここの部分の旋律は、どこかで聞いたことがあると思ったら、AirForceのRunning Cadence。軍隊のランニングの時に掛け声だ。Running CadenceはAirForce(米空軍)、Army(陸軍)、海軍(Navy)、Marine(海兵隊)それぞれに違う。これはAirForceのもの。トップガンとか、愛と青春の旅立ち、なんかで出てきた気がする。歌詞はいろんなバージョンがあるが、総じて卑猥で下品。酷い侮蔑と暴力に満ちたものも多い。

それをわざわざ持ち出してきたのは、暴力に立ち向かう側の暴力性を象徴するためだろう。これはBADのような仲間への愛を秘めた話ではなく、自分を屈服させようとする、明らかに敵意をもった相手に向かっていく話だからだ。

Crying Wolfは狼少年。つまりうそつき。manは男らしいでもいいのだが、狼と人との対比と、立ち向かっている相手の凶悪さから、人と獣の対比とみて、人ではない、というニュアンスにした。

さて、そもそもGhostsの映画は、子供達が村長さんに連れられて幽霊屋敷に幽霊を退治にくる話なのである。子供達は幽霊にあっていた。それが噂になってしまって、「そんなけしからんものはこの村には要らん!」といった村長さんの後ろにくっついて、親と子供達が幽霊屋敷に向かう。「別になにもしてなんだし、そっとしておいて上げようよ、なんでしゃべっちゃったんだよ。」子供達の声をよそに村長さんは幽霊屋敷に乗り込む。そして出てくるのが、マイケル・ジャクソン扮する幽霊のリーダ。「お前なんかこの町にいてはならない、出て行け!」という村長に対する幽霊達の返答がこのダンスなのだ。

子供の童話に隠しているけれど、ここにも、自分と異なるものを、本質を見ることなく、排除・弾圧しようとする非寛容さ、正義の名分をかぶった不実についての糾弾が織り込まれているのだ。ほんとうは、排除しようとしているお前こそ、排除されるべき存在ではないのか?俺が何をしたというのか?自分に対する非難をそらすために、排斥するべき存在をでっち上げているだけじゃないのか?このフレーズは、そういう糾弾なのだと思う。

仮想敵国、なんて言葉を思い出した。権力が自分から目をそらすために、対立軸を作り上げるのは、昔の話ではない。それは小さな社会でも同様。

You ain't done enough for me
You ain't done enough for me
You are disgustin' me, yeah yeah
You're aiming just for me
You are disgustin' me
Just want your cut from me
But too bad, too bad

まだ足りねえんだろう 俺をやりてえんだろう
反吐が出るぜ、全く お前らの狙いはこの俺一人
お前らには反吐が出る
俺から奪うこと、それだけがお前らの望み
けど、残念だな、そうはいかねぇ!

Look who just walked in the place
Dead and stuffy in the face
Look who's standing if you please
Though you tried to bring me to my knees

やってきた男を見てみな
死と陰鬱を顔に浮かべて
お前らが跪かせようとしても
最後まで立ってる俺を見てみな

Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it

残念だな、思い通りにはならないぜ
叫べばいいさ、吼えればいいさ
残念だな、思い通りにはならないぜ
ほら、叫べよ、吼えろよ
残念だな、思い通りにはならないぜ
叫べばいいさ、吼えればいいさ
残念だな、思い通りにはならないぜ
ほら、叫べよ、吼えろよ


徹底的に叩きのめしたい、という相手の憎悪と敵意、理不尽。言われなく一身にそれを受け、ぼろぼろになりながらも屈服しない、壮絶な抵抗の様子が唄いこまれている。闘争するマイケル・ジャクソン、咆哮するマイケル・ジャクソン。子供の童話に隠した、彼の激しい怒りの表現。

Hell all up in Hollywood
Sayin' that you got it good
Creepin' from a dusty hole
Tales of what somebody told

畜生、ハリウッドはすべてが終わってる
お前らは善だといってるけれど
薄汚たねえ穴から這い出す
誰かが仕組んだつくり話さ


upは終わっている。文字通り日本語の「終わってる」という表現にぴったり。末期、すでにまともではない、救いようがない、そんな感じ。toldは言う、語るだが、命令する、くらいの強い口調の意味もある。talesは作り話。

お前達がよいといって宣伝しているものや、美談、それはすべて誰かがしくんだ作り話。そういっているのだ。真実をみなければ、善だと思っていたものが悪意に満ちており、悪だと思っていたものが愛に満ちていることもある。他の曲とも重なる、そいういうメッセージだろうと思う。そして、それにまんまとだまされてしまうのが、SCREAMで糾弾されるyouであり、その筋書きが SCREAMにおけるschemesだろう。

What do you want from me?
What do you want from me?
Tired of you haunting me, yeah yeah
You're aiming just for me
You are disgustin' me
You got blood lust for me
But too bad, too bad

俺から何を奪いたい?
俺に何を望むんだ
お前らに狩られるのもうんざりだ
お前らが狙うはただ俺ひとり
お前らには反吐がでるぜ
お前らは俺の血に飢えている
けど、残念だな、そうはいかねぇ!

Look who got slapped in the face
It's dead and stuffy in the place
I'm right back where I wanna be
I'm standin' though you're kickin' me

横面はられた男をみてみな
その死んだような陰鬱な男
お前らに蹴飛ばされたって倒れねぇ
俺は望むところに戻ってきたぜ


I'm right back where I wanna be。ぼろぼろにされたけれど、俺は、まさに帰ってきた。俺がいたいと望むところに。悲壮な表現。SCREAMでいうところの、bash abusing victemizen、They don't care about us でいうところの raping my prideに打ち勝ち、社会的にも生命的にも抹殺されることなく、俺はここに帰ってきた。

、、、痛々しいまでの闘志。そこまで激しく、彼は不実に戦っていたのだろうと思っている。

Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it

(繰返し)


(Rap by Shaquille O'Neal)
Life's about a dream
I'm really undefeated when MJ is on my team, theme
Reality brings forth realizm
It's the man of steel organizm, Twizm
Not from the prizm, take charge like manilla
Nine five shaq represent with the Thrilla
Grab my crotch, twist my knee, then I'm through
Mike's bad, I'm bad
Who are you?

人生は夢幻
MJがいて、心一つなら、俺は完全無敵
真実こそすべてさ
鋼の男、強い男、世界は俺のもの
プリズムじゃない
輝く腕輪のように力を得るのさ
昼間のシャックは魅惑の象徴
股ぐら掴んで、膝をツイスト、それで完璧
マイクヤバイ、俺ヤバイ
お前ら何者?


Shaquille O'NealはNBAのスーパースター。もちろん黒人。慎重214cm、体重148kgという超巨漢。なのにものすごい身体能力を誇る無敵のプレーヤー。怪力でバスケットのゴールを破壊すること多数。通称シャック(shaq)。自分で歌も出せば、現役の間にMBA(経営学博士!)をとった、という怪人。Twizm も the man of steel organizmも彼の歌の歌詞の一部。 the man of steel organizmは彼が自分の強さを象徴する表現だろう。

aboutは、ほとんど、約、近い、のようなもの、の意味。文字通りにはlife's about a dreamは「人生は夢のようなもの」。MJはもちろんマイケル・ジャクソン。実際そう呼ばれてたらしい。MJ is on my team, themeはMJ is on my team、MJ is my themeだろう。MJが自分の側にいて、彼の思いが自分のテーマになっているということ。

reality 事実に即したこと、嘘偽りのない真実 が、forth 強固な、realizm 現実主義を生み出す。つまり、Reality brings forth realizm はきちんと現実をみることで、操られることはなくなる、流言に惑わされることもなくなる。きちんと真実を見るんだ、といってるのではないかと思う。

Twism は the world is mineの略。

prismは光を屈折させるもの、つまり、屈折された情報、操作されたものの見方の暗喩じゃないかと思う。prismの光を通して者を見ている限り、真実は見えない。力にはならない。

manillaはわからなかった。直接の意味は西アフリカ由来のブレスレットらしい。金銭の代わりに流通するような貴重で特別なものだったらしいのだが、ブレスレットのように力を得る、、、、イマイチ意味不明。解るようで解らない。prizmに対比されて使われていることから、何か真実の力、のような意味なのだと思う。

Thrillaはスリルを感じさせるもの、だろう。往年の名ボクサー、モハメド・アリ(この人も黒人)が自分の試合のことを「Killa and a Thrilla and a Chilla, when I get that gorilla in Manila(俺がマニラであのゴリラをやるときの、殺戮・恐怖・戦慄、くらいか?)」と形容し、そのため彼のマニラでの試合は、Thrilla-in-Manilaといわれたらしい。マイケル・ジャクソンは、過去の黒人の活躍をよく題材に使っているので、歌詞はこの辺のイメージを遊んだものかもしれない。ここではわくわく感のほうをとった。

nine-fiveも訳に困る。9時5時で昼間か?

ラップは、言葉遊びも入るので難しい、、、。

Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you scream and shout it
Too bad too bad about it
Why don't you just scream and shout it

(繰返し)


Ghostsでは、偏見に満ちた大人の対比として、真実・本質を見る子供達が描かれる。子供たちは先入観にとらわれることなく、幽霊であるマイケル・ジャクソンになつき、会話をし、笑う。マイケルが子供を無垢な存在として捉えていたことが伺える。

参考にさせていただいたページ:
ディクテーション部
マイケルのココロ--FOREVERLAND
Wikipedia Manilla
WikiPedia シャキール・オニール
Shaquille O'Neal – Newark to C.I. Lyrics
posted by LightWing at 00:38| HIStory | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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