2013年11月10日

彼のこと(1)

大天使ミカエルの名を戴く、美しく優しい戦士
マイケル・ジャクソンのうたとの出会い


彼ほど知っている人と、そうではない人の認識差が酷い人もそういないんだろうと思う。

マイケル・ジャクソンは私にとって、ずっと、何の関心もないアーティストだった。

80年代のThrillerのブレークで知り、Beat It、BADのヒットが続いた。まわりには、Thrillerを踊って遊んでる男の子がいたりしたけど、派手な音楽は私の趣味では全くなかったし、もともと流行(はやり)モノに胡散臭さを感じていた私にとって、それはどうでもいいことだった。

時はバブル。大人たちの狂乱、カネが乱舞する世の中を、傍観者として眺めていた子供の私にとって、マイケル・ジャクソンもその一部、流行と快楽を追求する馬鹿騒ぎの一部に見えた。

だから私の中のマイケル・ジャクソンはずっと、Thriller、Beat It、BADで止まってた。幼児への性犯罪、エルビスプレスリーの娘との電撃結婚。自宅のネバー・ランドは頭がおかしいんじゃないかと思った。突然報じられたラストコンサートの計画、それを目前にした突然死。それも私にはどうでもいいことだった。ただ、年々変わっていく容姿は不思議だった。それが怖くて。


転機は、友達に連れて行かれた The IMMOTAL WORLD TOUR だった。それも、私にとってはマイケル・ジャクソンはどうでもよくて、シルクドソレイユ目当てでOKした。当日も、興味はもっぱら美しい衣装とパフォーマンス。流れる歌のほとんどは知らず、ファンなら絶対見逃さないSmooth Criminalの間奏中は、バッグの中の飲み物を探していた。で、、、、ゼログラビティは見逃した。

ただ、幼いマイケルの清らかな歌声と、いくつかの印象的なフレーズ・メロディーラインが頭に焼きついた。

そのときはそれでおしまい。けど、その後、偶然インターネットで目にした、歌詞つき動画に驚愕。強烈に残っていたメロディーライン。They Don't Care About US。タイトルだけで、意味がわかった気がした。90年代の曲。けど、20年たった今こそ重要なメッセージ。


以来、熱に浮かされたように、マイケル・ジャクソンに取りつかれてる。調べるほどに知らないことを恥じ、無知を怖いと思う。The IMMOTAL WORLD TOURの、とき激しく、ときに軽快で、ときに優しい歌は、すべて彼の曲だった。これだけの曲を生む、彼の知性・教養・人間性の高さ、幅の広さ。背後に壮絶な人生をせおって、それでも、彼は痛々しいほど戦っていた。歌は全霊をかけて送ったすべての人へのメッセージだった。これを、私が、曲が発表された当時にリアルタイムで聞いてても、到底受け取れなかったと思う。

それを美しい曲と、誰にもまねのできないダンスで包んで、彼は世界に送っていた。アーティストとしても一流の彼は、哲学者であり、戦士であり、そしてメッセンジャーだった。

彼の死後、同じような思いを抱いている人はインターネット上に多数いることがわかった。こうした人の存在は偶然ではないと思う。歌には様々なレトリックが駆使され、解釈は人により異なる。アーティストはわざと、解釈の余地を残して曲をつくるのだ。だから、受け取ったメッセージはその人の今の鏡だと思ってる。英語は得意ではないけれど、自分の今を総動員して、彼のメッセージを読み解いて見たいと思う。

なお、このブログに記載しているものは、あくまで私の解釈である。他の解釈もあると思う。彼の送ってくるメッセージは、受け取る人の背景や状況によって異なるのだと思う。大切なことは違いにこだわってしまうよりも、共通する、彼が送りたかったメッセージを汲み取って、活かしていくことだと思う。あなたのために、わたしのために。

(更新 2013-11-10 22:35:11)
(初版 2013-05-30 11:53:22)
posted by LightWing at 23:36| Comment(3) | TrackBack(0) | Michael Jackson | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素敵な和訳と解釈ありがとうございます。筆者さんの静かに燃え上がるようなマイケルへの愛と慈しみが感じられて、夢中になって読ませて頂きました。

解釈の中でもThey don't care about usの語りが熱いなぁと思ってたところに、筆者さんとマイケルとの出会いを読んで、びっくりして書き込みいたしました。コメントというより、思いの丈を書かせて頂きます。長文ですがお付き合い頂けると嬉しいです。

私はつい一週間ほど前に、たまたまwe are the worldを聴いたら、驚くほど感動して、この曲の作成にマイケルが関わってることを知って、それから突然マイケルにはまった、超俄かファンです。
あの声量、声質、ダンス、魅せ方、もう聴けば聴くほど、見れば見るほどのめり込んでいきます。
そんな中で出会った一曲、They don't care about us。まだ、整形して肌を白くして児童性的虐待で訴えられていたイメージを拭いきれてなかった私は「白くなってるし、落ち目の時だろうから」とほとんど期待せず聴き始めました。
結果、衝撃のひとことです。マイケルの怒りがストレートに、テンポに乗せたあのメロディラインで歌い上げられた傑作に、一瞬で持ってかれました。
なぜ、これほどの曲がthrillerのように広く知れ渡っていないのか?時期的に悪かったの一言な気はしないでもないですが…。
でも、私みたいな暗いイメージを持った人にこそ、聴いてほしい。マイケルの叫びを、苦しみを、悲しみを、歌に込められた思いを。
悪意のない無知という悪に対して、ギクリとしない人はいないはずで、この歌のメッセージをきちんと受け取ったならば、少なからず自分を振り返るのではないかと。
その時に、無知無関心の壮絶なる被害者であるマイケルジャクソンという人を認識して欲しいと願ってます。

筆者さんもThey don't care about usに激震し、その時から私と同じくマイケルジャクソンという人をまっすぐ見るようになったように感じ、嬉しくて、驚きに任せてコメント致しました。

これからも、マイケルの曲の、素敵な解釈を楽しみにしてます。
読みにくい文章を最後までお付き合い頂きありがとうございます。
Posted by asa at 2015年10月17日 02:24
はじめまして。 
まずはこのサイトを継続してくださってることに感謝します。

うっとうしいくらい長たらしく熱く書いてしまってます。ゴメンナサイ。
でも、語らずにはいられなかったのです。

私はこの夏にyou tubeをきっかけにマイケルにのめり込んでしまったので、気になったワードを調べてサイトにたどり着いても、ブームも去ってるからか削除されていて解らなかったりで四苦八苦してました。

中1でスリラーのMTVを観て洋楽にはまったけれど、私にとってマイケルは長年パンドラの箱でした。
私は中2の時にエホバの証人の家庭訪問から聖書を学び始めたのですが、エホバの証人になりたっか訳でなく聖書に興味があって学びたかったからなのですが、彼がエホバの証人を脱退したのと並行だったので、マイケルを知ることは悪魔の誘惑くらいに怖いことのように思ってました。

エホバの証人の聖書では偶像崇拝は禁じられてます。
だからどんどんシンボリックになっていくマイケルが子供たちの為にと歌っても、悪魔が心地よいものとして姿を変えるとある聖句が警告になって受け入れることができなかったのです。

それが、デンジャラスのブカレストライブをYou Tubeで観た途端、私はとんでもないものを見過ごしてしまってたと思ったのです。

そこから始まったマイケルへの旅なのですが、彼の生い立ちや私にはやりすぎに感じるビジネスも文化の違いや人種差別とか、時代とかベースがあるだろうし、私が今45歳だからかマイケルがただの甘えたの息子に感じて可愛く思えますし、子供好きなのも私も子供たちにボランティアを通して遊んでもらってるので大人といるより楽しくリラックス出来るという気持ちも理解できます。

でも、偶像崇拝というのがひっかかり続けてました。

チャップリンが大好きなマイケルだから、Historyの像も「独裁者」と同じくアンチを掲げてると思うのですが、Will You Be Thereで天使が出てきたり、自分を救世主に見立ててるような演出を演じる理由が知りたかったのです。

ネバーランドの自宅に飾ってる子供たちに囲まれたマイケルの絵はエホバの証人の発行してる「ものみの塔」の表紙にとても似てるし、わずか5年しかエホバの証人と聖書を勉強しなかった私ですが自分の中で神様を意識してるので、教会とか像にて若干抵抗を感じるくらいです。

自分の神を(エホバに対するベースは絶対残ってると思うので)冒涜するような事をしてでもマイケルがやり遂げたかったことって、戦い続けた事って何だろう、その為の覚悟を考えると涙が止まらなくなります。
Posted by Bou at 2016年10月02日 14:44
One thing I can tell you is you got to be free!!
Come together Right now Over us :)

Posted by LightWing at 2016年10月17日 23:32
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/364562580
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。